特別展 「きもの KIMONO」

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TAROきもの 岡本太郎原案
昭和49年頃(1974頃) 東京・岡本太郎記念館蔵 撮影:堤勝雄

今年は新型コロナウィルス感染症で3月以来あらゆる芸術活動が自粛をよぎなくされました。長い期間の自粛後の解除で少し気が緩んだのか、近々の感染者数上昇に油断ができません。そのような中、沈んだ心を浮き立たせるのがこの「きもの KIMONO」展です。コピーは「それは、ニッポンの花道(ランウェイ)。」。時代を超え、眼前に並ぶ着物の数およそ300件。その豪華さ、現代にも通用するデザインの粋さ等々必見です。

きものは形を大きく変えることなく800年以上連綿と続いている日本の文化の一つです。今の着物の原型である小袖(こそで)は、室町時代後期より、染や刺繡、金銀の摺箔(すりはく)などで模様を表わし、表着(おもてぎ)として花開きました。きものは、現代に至るまで多様に展開しながら成長し続ける日本独自の美の世界を体現しています。歌舞伎や花魁の着物がファッションとして町娘、若衆はたまた大奥の女性たちに広がりを見せたりしました。この展覧会では、信長・秀吉・家康・篤姫など歴史上の著名人が着用した着物や、尾形光琳(おがたこうりん)直筆の小袖に加え、きものが描かれた国宝の絵画作品、さらに現代デザイナーによる着物など約300件の作品を一堂に展示されています。時代を超えてどのようにモードが変化、展開されていったかをたずねます。

第2章 篤姫所用展示まわり風景 撮影:山本倫子

(画像をクリックすると拡大します。以下の画像も同じ)

1.モードの誕生

豊臣政権から江戸政権に移り行く時代に、着物は小袖が主流になりました。桃山時代には豪壮なデザインに紅や萌黄をベースとしたいかにも秀吉好みが流行でしたが、家康の時代になっていくと、茶や紫とかのシックな色調に、型紙による金箔の模様をほどこした草花模様が全身を包む、というようになります。

2.京モード 江戸モード

江戸寛文期には、模様全体に動きが生まれる斬新なデザインが流行りました。このモード革命には徳川秀忠の娘、和子が後水尾天皇のもとに入内して京都に「御所風」の小袖模様を呉服商に注文したことが始まりとの一説があります。この章は絢爛豪華な着物がこれでもかと並び圧倒されます。

小袖 白綾地秋草模様 尾形光琳筆 (こそで しろあやじあきくさもよう)
尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵

重要文化財 小袖 黒綸子地波鴛鴦模様
(こそで くろりんずじなみおしどりもよう)
江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵

3.男の美学

お洒落は女性の専売特許ではないと男たちが肩をそびやかすのがこの章です。サムライの美学として、信長のうつけ、秀吉の若づくり、家康の伊達と注釈が入った陣羽織が展示されています。鎧の上に自分らしさ、強さを表しています。室町時代の若衆、稚児のファッションへの関心は女性以上で、美しく着飾っています。江戸時代になると「通」を気取る風が、着物裏、羽織裏という普段見えず、ひょっとした時にちらと見えるところに粋なデザインや色彩で人を感嘆せしめました。裏地に粋とお洒落を極めて必見なのが江戸町火消半纏です。町火消たちは紺地の木綿に刺し子を施した半纏に水をかぶって消火にあたり、無事終わると、半纏の裏を返して裏地の模様を誇らしげに見せて帰ったそうです。裏模様には国芳の手によるものや、龍、鷹、虎、鯉の滝登り、から、平家物語からとったものなど多種多様です。髑髏が描かれたのがあり、今のスカルと同じです。面白いですね。

陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用
安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵

重要文化財 振袖 白縮緬地衝立梅樹鷹模様
江戸時代・18世紀、東京国立博物館蔵

4.モダニズムきもの

明治、大正、昭和初期のきものです。明治にはいり、洋装化が進む中、女性は昭和初期までほとんどが着物でした。近代化が進み、素材や技法が新しくなっていった軌跡がわかります。

振袖 淡紅綸子地宮殿模様
(ふりそで うすべにりんずじきゅうでんもよう)
昭和時代・20世紀、千葉・国立歴史民俗博物館蔵

5.KIMONOの現在

この章には辻が花染めを復元した久保田一竹の連作「光響」15領が出品されています。これは文字で説明するのが至難の技です。是非実物を見て一竹の偉業をご覧ください。

X JapanのYOSHIKIさんは呉服屋の長男として生まれ育ち、日本の伝統文化である着物を世界中に紹介したいという強い信念のもとに、自らデザイナーを務める着物ブランド、YOSHIKIKIMONOを立ち上げました。発信し続ける姿勢には、ほかのブランド・ファッションとは一線を画す、きものへの想いがあります。

展覧会は事前予約制(日時指定券のオンライン予約が必要)です。チケット購入についてはこちら

展覧会公式サイト

東京国立博物館ウェブサイト

開始日2020/06/30
終了日2020/08/23
エリア東京都
時間開館時間 午前9時30分~午後6時
*総合文化展は午後5時まで
*夜間開館は実施いたしません
休日休館日 月曜日、8月11日(火) 
*ただし8月10日(月・祝)は開館
その他備考事前予約制(日時指定券)
一般1700円、大学生1200円、高校生900円
開催場所東京国立博物館 平成館
アクセス〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)