建国300年 ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展

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フェルディナント・ゲオルグ・ヴァルトミュラー 《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》 
1839年、油彩・板 
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz – Vienna

オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国は、世界で唯一、侯爵家(君主)の家名が国名となっている国です。リヒテンシュタイン侯爵家は代々500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を収集し、世界でも屈指の規模を誇る個人コレクションの、その華麗なことは宝石箱にたとえられています。Bunkamura ザ・ミュージアムで開かれている展覧会は、侯爵家秘蔵のルーベンス、ヤン・ブリューゲル(父)、クラーナハ(父)を含む北方ルネサンス、バロック、ロココなどの油彩画と、ヨーロッパでも有数の貴族の趣向が色濃く反映された、ウィーン窯を中心とする優美な陶磁器、合わせて約130点で構成されています。

有田窯《青磁色絵鳳凰文金具付蓋物》金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト
磁器:上絵付1690-1710年、金属装飾:鍍金されたブロンズ
1775/1785年、人物像:後補
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz – Vienna

今年建国300年を迎える同国の国家元首であるリヒテンシュタイン侯爵家は、かつて神聖ローマ皇帝に仕えていました。アルプスに抱かれ、ライン川が流れる小さな国は、大都市の喧騒とは無縁の穏やかな国です。時代が止まっているかのようですが、実はこの国は現在金融業が盛んで、世界屈指の豊かさを誇ります。侯爵家は代々領地経営に優れ、富を蓄え、皇帝にも貸し出すほどで、その富で積極的にコレクションをしたようです。「美しい美術品を集めることにこそお金を使うべき」との家訓がリヒテンシュタイン侯爵家にあり、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を3万点あまり収集してきました。それは英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションといわれています。

ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ガイア― 《金地花文クラテル形大花瓶》 
1828年頃、硬質磁器、エナメルの上絵付、金彩
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

第1章では、リヒテンシュタイン侯爵家の人々の肖像画と貴族生活がわかる絵画を展示しています。とても美しいブロンドの髪の少年に心奪われます。

ヨーゼフ・ノイゲバウアー《リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像》
1861年、油彩・キャンヴァス
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

コレクションの宗教画の中にはクラーナハ(父)やルーベンスといった北方芸術の巨匠ばかりでなく、イタリア・ルネッサンスやバロックの作品もあり多様性がうかがえます。

ルーカス・クラーナハ(父)《聖バルバラ》 1520年以降、油彩・板 
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

マルコ・バザイーティ《聖母子》
1500年頃、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ルネッサンス期に再び勢いをました神話画は、宗教画と並んで人気の主題となり、積極的にコレクションされました。絵画と共に神話画や歴史画が描かれた磁器も展示されています。

ぺーテル・パウル・ルーベンスと工房《ペルセウスとアンドロメダ》
1622年以降、油彩・キャンヴァス 
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

モーリッツ・ミヒャエル・ダフィンガー ウィーン窯・帝国磁器製作所(1744-1864)
原画:ロッソ・フィオレンティーノ《絵皿「リュートを弾くクピド」》
1806年頃、硬質磁器、上絵付、金彩、鍍金
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ヨーロッパで大人気の東洋の磁器もたくさん収集され、中にはヨーロッパの趣味に合わせて金属装飾が施された物もあります。元の磁器が損なわれないようにとても上手く装飾されていて豪華です。

景徳鎮窯《染付花鳥文金具付壺》 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト
磁器:青の下絵付、順治~康煕年間(1644-1723)、金具:鍍金されたブロンズ 1775/1785年
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ウィーンに1718年にデュ・パキエが設置した磁器工房のウィーン窯から特に華やかで技巧を凝らした作品が並びます。

ウィーン窯・デュ・パキエ時代(1718-1744)《カップと受け皿(トランブルーズ)》 
1725年頃、硬質磁器、黒呉須、多彩色上絵付
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ウィーン窯・帝国磁器製作所、ゾルゲンタール時代(1784-1805)
《カウニッツ=リートベルク侯ヴェンツェル・アントンの肖像のある嗅煙草入》 
1785 年頃、磁器
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

風景画は、アルプスに抱かれた領地を有するリヒテンシュタイン侯爵家にとって、アルプスの絵画は特別なようです。

ヤン・ブリューゲル(父)《市場への道》1604年、油彩・銅板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー
《イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望》
1840年、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

ウィーン窯・帝国磁器製作所 原画:ベルナルド・ベロット
《ベルヴェデーレからのウィーンの眺望が描かれたコーヒーセット》
1808年頃、硬質磁器、エナメルの上絵付、金彩
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

侯爵家コレクションの中には、陶板画や磁器の絵柄を含め花を描いた作品が多く収蔵されていますが、その中でも当代人気画家が描いた繊細かつ華やかな作品群が出展されています。


中国・景徳鎮窯《青磁金具付大壺》 磁器:清王朝(1644-1912年):
1760/70年頃、磁器:青磁、装飾:鍍金されたブロンズ
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン
© LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

 

Bunkamura ザ・ミュージアムHP

展覧会ホームページ

 

開始日2019/10/12
終了日2019/12/26
エリア東京都
時間開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)。 夜間開館 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
休日休館10/15(火)、11/12(火)、12/3(火)
その他備考入館料 一般1600円 大学・高校生1000円 中学・小学生700円
開催場所Bunkamura ザ・ミュージアム
アクセス〒150-8507
東京都渋谷区道玄坂2-24-1 B1F
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
・JR線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分
・東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分
・東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」A2出口より徒歩5分
※2019年11月1日よりBunkamura最寄りの渋谷駅地下出入口番号が3a出口→A2出口に変更になりました。
https://www.bunkamura.co.jp/access/