日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念 モダン・ウーマン―フィンランド美術を彩った女性芸術家たち

A-2005-114Helene SchjerfbeckKuva: Kansallisgalleria Hannu Pakarinen

ヘレン・シャルフベック《占い師(黄色いドレスの女性)》
1926年 フィンランド国立アテネウム美術館
Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum, Kaunisto Collection
Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen

展示されているのは、19世紀後半から20世紀初頭にフィンランドで活躍した女性芸術家、マリア・ヴィーク(1853-1928)、ヘレン・シャルフべック(1862-1946)、エレン・テスレフ(1869-1954)、シーグリッド・ショーマン(1877-1979)、エルガ・セーセマン(1922-2007)、シーグリッド・アフ・フォルセルス(1860-1935)、ヒルダ・フルディーン(1877-1958)の7名。ヘレン・シャルフべックは日本では初めての大規模個展が2015年から2016年に巡回し(「ヘレン・シャルフベック―魂のまなざし」)、わたしは神奈川県立近代美術館 葉山で(2016年1月10日—3月27日)その人生と印象深い作品に触れることができたのですが、他にはマリア・ヴィークの名前を知るくらいです。

マリア・ヴィーク《ボートをこぐ女性、スケッチ》
1892年頃 フィンランド国立アテネウム美術館
Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum, Granberg Collection
Photo: Finnish National Gallery / Jenni Nurminen

美術館の説明によれば、19世紀後半から20世紀初頭のフィンランドでは、ロシアからの独立運動、そして1917年に誕生する新しい国家の形成と歩調を合わせて、社会における女性の立場や役割に大変革が起こり、美術界においても、19世紀半ばに設立された最初の美術学校は、当時のヨーロッパでもめずらしく当初から男女平等の美術教育を奨励し、女性たちは奨学金や留学のチャンスを掴んで国際的な環境で研鑽に励みながら、芸術家としてのキャリアを切り開くことができたようです。日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、独立前後のフィンランドを生き、同国の近代美術に革新をもたらした女性芸術家たちに焦点を当てる、日本で初めての試み、とのことです。

エレン・テスレフ《装飾的風景》1910年
フィンランド国立アテネウム美術館
Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum
Photo: Finnish National Gallery / Yehia Eweis

専門的な美術教育が女性にも開かれていたことで、女性芸術家たちは評価され、フィンランドの美術史に名を残すこととなりましたが、美術家志望の半数以上が女性である現在とは違い、男性中心の美術界で居場所を得るために戦わねばならなかったでしょう。世紀末芸術、印象派、ラファエル前派、アーツアンドクラフツ運動、アールヌーボー、等、次々と生まれる潮流の中心地から離れた地の女性が画家として認められるには、相当の実力と精神力の持ち主だったはずです。作品は7人7様。それぞれが独自のスタイルを築くための挑戦と不断の努力を思います。ですが、モノを見るまなざしには角がなく、どの作品にも優しさを感じるのは女性ゆえのしなやかさゆえかもしれません。

シーグリッド・ショーマン《自画像》
制作年不詳 フィンランド国立アテネウム美術館
Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum
Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen

「松方コレクション展」が同時開催中です。「モダン・ウーマン」展の会場は新館の2階で、「松方コレクション展」の観覧券、または常設展の観覧券で入場できます。期間中、階下の常設展がココロにくい構成になっています。見逃してはもったいない。

シーグリッド・アフ・フォルセルス《青春》
1880年代 フィンランド国立アテネウム美術館
Finnish National Gallery / Ateneum Art Museum
Photo: Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen

開始日2019/06/18
終了日2019/09/23
エリア東京都
時間9:30~17:30 毎週金・土曜日:9:30~21:00
※入館は閉館の30分前まで
休日休館日: 月曜日(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館)、7月16日(火)
その他備考一般500円、大学生250円
※常設展の観覧券、または「松方コレクション展」(6月11日~9月23日)の観覧券(観覧当日のみ)でご覧いただけます。
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)。
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。
※毎週金・土曜日の夜間開館時(17:00~21:00)、および毎月第2・第4 土曜日は本展および常設展は観覧無料。
開催場所国立西洋美術館 新館展示室
アクセス〒110-0007
東京都台東区上野公園7-7
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
・JR上野駅下車(公園口)徒歩1分
・京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
・東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分
https://www.nmwa.go.jp/jp/visit/map.html