ジュリアン・オピー Julian Opie

Julian Opie. Telephone. 2018. Patinated bronze with stone base. Large_s

Telephone 2018

まちがいなく同時代を生きる作家としては抜群の人気を誇るアーティストですが、日本にある現代美術館のいくつかに収蔵されてはいるものの、そういえば大規模な個展は、と思っていたら、2008年の水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されたのが最後とのことですから、11年ぶりとなります。

Satchel 2018

ジュリアン・オピーの名を知らなくても、あるいは現代美術に興味がなくても、輪郭線のはっきりしたフラットな色使いで、顔は目を黒い点で表現しただけの実にシンプルな、それでいてモデルの個性や性格が的確に伝わってくるポートレイトを見たら、ああ、と思う人も多いでしょう。文化的な背景を超えた、現代性、普遍性が魅力の作品です。

Towers 1 2018

1990年代後半から2000年代半ばの顔のポートレートに対して、本展では、人物の全身を側面から表現した作品を主に、都市の通りを行き交う人々、都市のビル群やカラスの立体、ジョギングする人々など、視点の広がった最新の作品で構成されています。

Sam Amelia Jeremy Teresa 1, 2019

まず最初の展示室で度肝を抜かれます。そこにある《Walking in New York 1》は、縦は6メートルくらいあると思います。そして画像ではわかりにくいのですが、壁に直接描かれています。正確に言うと黒い輪郭線は壁に塗られ、それ以外の衣服や肌はアクリル板が貼られています。これだけフラットに人物が拡大しても、この光景は見たことがあると思わせます。それは現在を象徴する光景で、世界の著名な大美術館が、その大きな展示空間に巨大な伝統的なアカデミック絵画を展示していることの現代版と言えないでしょうか。

Walking in New York 1 2019

人物が全身になるとともに、顔からは目もなくなり、ほとんど違いのないただの丸になっています。はっきりした輪郭線と平明な色彩による表現は変わりませんが、単純化、簡略化が強くなっています。それでも、刺青のある男性、バッグを肩にかけた女性、携帯電話を手に持って歩く女性、と実際はどこか特定の誰かだったのでしょうか、オピーによって簡素化された人物は、世界中どこの都市にもみられる普遍的な人物となっています。

オピーのファンにはクリエイティブな仕事をする人が少なくないようです。それはグラフィックデザインやピクトグラムとの融和という意味でも創造性を刺激するのでしょう。また極限まで簡略化された人物表現は、ミニマリズムや抽象化の点からも現代美術を語るうえで欠かせない表現となり、オピーの魅力を充分に味わえる展覧会となっています。

Julian 2013

会期中、3,4階の収蔵品展では「池田良二の仕事」、4Fコリドールでは末松由華利展を開催しています。キャリアの長い版画家と新鮮な若手作家の作品もぜひお楽しみください。

東京オペラシティアートギャラリーホームページ

開始日2019/07/10
終了日2019/09/23
エリア東京都
時間11:00〜19:00 (金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休日休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(日・全館休館日)
その他備考一般1,200円/大・高生800円/中学生以下無料
開催場所東京オペラシティ アートギャラリー
アクセス東京都新宿区西新宿3-20-2
東京オペラシティタワー3F
京王新線(都営地下鉄新宿線乗り入れ) 初台駅東口下車 徒歩5分以内 (東京オペラシティビルに直結しています。) 京王新線へは、JR新宿駅南口からお乗り換えください。京王新線新宿駅4番ホームより笹塚方面へ1つ目の駅が初台です。(乗車時間約2分)
http://www.operacity.jp/access/index.php