日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」

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関帝廟壁画「張飛、督郵を鞭打つ」(かんていびょうへきが
「ちょうひ、とくゆうをむちうつ」)(部分) 土製、彩色 清時代・18世紀
内モンゴル自治区フフホト市清水河県水門塔伏龍寺伝来 内蒙古博物院蔵

私利私欲にまみれた役人・督郵に張飛の怒りが爆発。
『三国志演義』の有名な一幕を鮮やかな色彩で描く本作は
関帝廟の堂内壁画として描かれていたもの

待望の特別展「三国志」が日中文化交流協定締結40周年を記念して、東京国立博物館 平成館で開催されています。「リアル三国志」とサブタイトルにあるとおり、三国志研究史上最大の発見で海外初出品となる河南省の曹操高陵(そうそうこうりょう)出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される上坊(じょうぼう)1号墓出土品の他、後漢から三国時代の兵器、三国の風土が垣間見える俑(よう)など、最新の発掘成果、約160件の展示です。

関羽像(かんうぞう) 青銅製
明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵

今からおよそ1800年前、日本ではおよそ卑弥呼のころ、後漢王朝の混迷に端を発した三国志の時代は、幾多の武将の栄枯盛衰とともに記録され、のちには歴史性を帯びた伝説となり伝わりました。覇権をめぐる物語は人びとの親しむところとなり、そこから詩文や絵画が生まれ、また、関羽のように尊崇(そんすう)されて神となった武将もいて、多彩な「三国志文化」が今へと続きます。

趙雲像(ちょううんぞう) 木製 清時代・17~18世紀
安徽省亳州市花戯楼伝来 亳州市博物館蔵

小説であれば羅貫中の『三国志演義』か吉川英治の『三国志』、漫画では横山光輝、人形劇では川本喜八郎と、年代を問わずどれか一つに遭遇して「三国志」を知っていることでしょう。ゲーム好きなら「三國志」・「真・三國無双」でお馴染みかもしれません。そして展覧会はこれらの作品とコラボレーションしています。三国志360度展開です。

貨客船(かきゃくせん) 土製 後漢~三国時代(呉)・3世紀
2010年、広西チワン族自治区貴港市梁君垌14号墓出土
広西文物保護与考古研究所蔵

魏(ぎ)の基盤をつくった曹操(そうそう)は、父祖伝来の勢力基盤を引き継ぎつつ漢王朝の中枢で実権を握り、動乱の時代に覇をとなえました。蜀(しょく)の劉備(りゅうび)は漢皇室の血統を自認し、漢王朝の復興を掲げ、呉(ご)の孫権(そんけん)は海洋ネットワークを駆使して勢力を伸ばすなど、独自の路線を歩みました。英傑と称される彼らの世界を文物が伝えます。

豹(ひょう) 青銅製、金銀・白瑪瑙象嵌 前漢時代・前2世紀
1968年、河北省保定市満城区中山靖王劉勝夫婦墓出土
河北博物院蔵

会場に入ると1,500本の矢が天井や壁に装飾され、おもわず声を上げました。赤壁の戦いの前に、呉の周瑜が諸葛孔明に10日間で10万本の矢を集めろとの無理難題を出したのですが、孔明が1日でそれを達成し、周瑜の企みを砕いた話を思い出したからです。それは何十艘という船に藁を積んで敵方に向かい、さも戦いのように見せかけ敵から矢を射られるように煽り取ってきたのですが、展示室では一本一本の矢がしっかり作りこまれ、その場面を想像させます。

蛇矛(じゃぼう) 青銅製、鍍錫 石寨山文化期・前2世紀
1956年、雲南省昆明市石寨山3号墓出土 雲南省博物館蔵

「リアル三国志」ですので武器も展示されています。ゲームでお馴染みの蜀の張飛が愛用した蛇矛は『三国志演義』では約4mとあります。張飛の時代の出土例はまだありませんが、張飛が活躍する前、紀元前2世紀頃の雲南地方ではたしかに使われていたようです。

撒菱(まきびし) 青銅製 後漢~三国時代・3世紀 1985年、
陝西省漢中市勉県定軍山出土 勉県博物館蔵

曹操の墓の一部を原寸大で再現した空間もあります。2008年から2009年にかけて発掘された曹操高陵(曹操墓)をはじめ、各地の古墓と出土品はそうした有力者たちの思考や社会の価値観を示しています。

方格規矩鳥文鏡(ほうかくきくちょうもんきょう) 青銅製
後漢~三国時代(魏)・2~3世紀 1955年、
遼寧省遼陽市三道壕1号壁画墓出土 遼寧省博物館蔵

三国志ファンや三国志にあまり馴染みがない人にもわかりやすく「三国志」の登場人物や名場面を、中国で発掘された出土品と共に紹介する試みもあります。また各章冒頭には漫画家・横山光輝(1934~2004)による漫画『三国志』の原画(光プロダクション所蔵)を展示していて、展示にアクセントを付けています。加えて会場内5ヶ所に1982年から1984年にかけて放送されたNHK「人形劇 三国志」のために人形美術家・川本喜八郎(1925~2010)が制作し、同劇内で実際に使用した人形(飯田市川本喜八郎人形美術館所蔵)計9体を展示しています。

金製獣文帯金具(きんせいじゅうもんおびかなぐ)
金製、貴石象嵌 後漢時代・2世紀 2009年、
安徽省淮南市寿県寿春鎮古墓出土 寿県博物館蔵

出土品はほぼこの半世紀間に発見されたものです。漢王朝の権威が衰退へと向かうとともに、各地の有力武将が次々に歴史の表舞台へと躍り出、そして魏、蜀、呉の三国が天下を分かち、新時代へと向かう大きなうねりとなる2世紀末から3世紀にかけての歴史が、実物の出土品によって約1800年の時空を超えドラマチックによみがえります。

蟬文冠飾(せみもんかんしょく) 青銅製、金
西晋時代・3世紀 2003年、
山東省臨沂市王羲之故居洗硯池1号墓出土 臨沂市博物館蔵

音声ガイド2種類のうち、ひとつのナビゲーターは吉川晃司さんです。武将役の似合う彼の声がこの三国志の舞台をまざまざと表すようでピッタリでした。もう1種類の音声ガイドは、ゲーム「真・三國無双」シリーズから4人の武将が登場しています。9月16日(月・祝)まで。

公式サイト

東京国立博物館展覧会ホームページ

Exhibition Homepage

開始日2019/07/09
終了日2019/09/16
エリア東京都
時間開館時間:午前9時30分~午後5時 
*金曜・土曜は午後9時まで 
*入館は閉館の30分前まで
休日休館日:月曜日、7/16㈫ 但し7/15(月・祝)、8/12(月・休)、9/16(月・祝)は開館
その他備考観覧料:一般1600円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料
開催場所東京国立博物館 平成館
アクセス〒110-8712
東京都台東区上野公園13-9
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
・ JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
・京成電鉄京成上野駅下車 徒歩15分
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