国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 

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フィンセント・ファン・ゴッホ《アルルの寝室》 1889年 

油彩、カンヴァス オルセー美術館 Paris, musée d’Orsay, 
cédé
aux musées nationaux en application du traité de paix 
avec le Japon,
1959  Photo © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

ヨーロッパの芸術を日本にもたらそうと神戸の実業家、松方幸次郎(1866-1950)が膨大な私財を投じて収集した松方コレクション。その数は1万点をゆうに超えると言われ、その一部が国立西洋美術館のコレクションの核となっています。富国強兵の時代に芸術に対して広く深い理解をもった経済人がいて、日本にヨーロッパの芸術品を紹介する美術館を作ろうと壮大な計画をしたのには驚かされます。

ジョン・エヴァリット・ミレイ《あひるの子》 1889年 
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(旧松方コレクション)

松方コレクションは、神戸の川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)を率いた松方幸次郎が第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しつつ、1910年代半ばから1920年代半ばにかけてロンドンやパリなどで買い集めた西洋の絵画、素描、版画、彫刻、装飾芸術品等からなるコレクションです。現在では特にモネやマネ、ゴーガン、ゴッホ、ロダンなど近代フランス美術の優品で知られます。松方には日本に最初の西洋美術館を作るという明確な目標があり、ロンドンの画家フランク・ブラングィンやパリのロダン美術館館長レオンス・ベネディット、あるいは留学中の矢代幸雄や成瀬正一、和田英作のような少壮の日本人研究者や画家の助けを得て、3000点にのぼるコレクションを築きました。また、パリで買い戻した浮世絵約8000点も加えれば、その総数は1万点におよびます。 しかし、関東大震災とそれに続く昭和金融恐慌のあおりを受け、1927年に川崎造船所が経営破綻に陥ったことから、松方の美術館建設計画は頓挫し、コレクションも散逸していきます。すでに日本へ到着していた1000点以上の美術品は債権者によって売り立てられ、ロンドンの倉庫に預けていた約900点も1939年の火災で焼失。一方、パリで保管されていた約400点は、第二次世界大戦末期、フランス政府に敵国人財産として接収されますが、戦後、日仏政府間交渉の末、一部を残して375点の「松方コレクション」が日本政府へ寄贈返還されることになりました。これを保管展示するための美術館として1959年、国立西洋美術館が設立されます(設計はフランスを代表する建築家ル・コルビュジエに依頼)。 ときに「幻のコレクション」とも呼ばれる松方コレクションですが、ロンドンで焼失した作品のリストや、行方知れずであったモネの大作《睡蓮、柳の反映》の発見など、近年の調査によってその全容があらわれ、新たな注目が集まっています。

ジョヴァンニ・セガンティーニ《羊の毛刈り》 1883-84年
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(旧松方コレクション)

今回は国立西洋美術館の開館60周年を記念して世界各地に散逸した松方旧蔵の名作が集結するとともに、松方の蒐集の足取りを巡りつつ、時代の荒波に翻弄され続けたコレクションの100年におよぶ軌跡をたどります。また長らく行方のわからなかったモネの《睡蓮、柳の反映》が2016年に発見され、現存部分が修復されて初公開されています。

クロード・モネ《舟遊び》 1887年 
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(松方コレクション)

一例として、ジョン・エヴァリット・ミレイの《あひるの子》、ダンテ・ガブリエル・ロセッティの《愛の杯》、リュシアン・シモンの《墓地のブルターニュの女たち》、フィンセント・ファン・ゴッホの《アルルの寝室》、ピエール・オーギュスト・ルノワールの《帽子の女》、クロード・モネの《舟遊び》、エドガー・ドガの《マネとマネ夫人像》、エドヴァルド・ムンクの《雪の中の労働者たち》、アンリ・マティスの《長椅子に座る女》など、希有な日本人の存在とともに、至宝と言われる作品を含む総計160点に歴史資料をあわせ、ヨーロッパの近代芸術と歴史を概観できる展覧会です。

ピエール=オーギュスト・ルノワール《帽子の女》 
1891年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館(松方コレクション)

作品リスト

音声ガイドナビゲーターは俳優の橋本さとしさんです。「プロフェッショナル仕事の流儀」やドラマでも馴染みがあり、深みのある声で説明してくれます。

クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》(修復後)
1916年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館 
松方幸次郎御遺族より寄贈(旧松方コレクション)

展覧会特設サイト

国立西洋美術館展覧会ホームページ

Exhibition Website

松方幸次郎 写真提供:川崎重工業株式会社

 

開始日2019/06/11
終了日2019/09/23
エリア東京都
時間開館時間 午前9時30分ー午後5時30分(金・土曜日は午後9時まで)入館は閉館の30分前まで
休日休館日 毎週月曜日、および7月16日(科は休館。ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開館
その他備考観覧料 一般1600円、大学生1200円、高校生800円
開催場所国立西洋美術館
アクセス〒110-0007
東京都台東区上野公園7-7
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
・JR上野駅下車(公園口)徒歩1分

・京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分

・東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分
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