北斎のなりわい大図鑑

s葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」すみだ北斎美術館蔵

葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」(前期)すみだ北斎美術館蔵

「なりわい」とは生業と書きますね。生きるための仕事のことです。生活にむすびついている仕事はその社会を映します。江戸時代には、現在ではなじみのなくなってしまったなりわいがある一方、現代の商売につながる仕事も存在します。北斎の作品を中心に、仕事に注目して制作された作品や、景色の中に溶け込むように描かれた働く人々の一場面を捉えた作品など、当時の人々の会話が聞こえてきそうな活気ある作品が展示されています。働く人々に向けられた絵師のまなざしを通して、江戸の生業を紹介しています。

1章 ものを売る生業

葛飾北斎「蛤売り図」(前期)すみだ北斎美術館蔵

(ここより以下の画像はクリックすると拡大します)

見どころの一つが「蛤売り図」です。これまで知られていなかった北斎の肉筆画で、今回、初お披露目となっています。

江戸時代には小売業者が市中を売ってまわる棒手振りが活躍し、流通を支えていました。売買をめぐっての人々の交流は今も昔も変わりませんね。

2章 自然の恵みをいただく生業

葛飾北斎「冨嶽三十六景 東海道江尻田子の浦略図」(前期)すみだ北斎美術館蔵

漁師やきこりなど自然からの恵みを採取する生業です。北斎は自然の環境を大胆な構図で捉え、本来は厳しい環境での仕事のきつさ、つらさを出さず、働く人々の躍動する肢体や、仕事の合間の休憩に見せるリラックスした表情などを描いています。「冨嶽三十六景 東海道江尻田子の浦略図」には中景に塩をつくる人々が描かれていますが、わかりますか。

葛飾北斎「百人一首うはかゑとき 源宗于朝臣」(前期)すみだ北斎美術館蔵

3章 人を楽しませる生業

葛飾北斎「碁盤人形」(後期)すみだ北斎美術館蔵

歌舞伎役者や大道芸人など江戸のエンターテイナーが登場します。北斎は、音曲やせりふ、観客のざわめきがきこえてきようなほど、彼らの姿をいきいきと描いています。

4章 ものを運ぶ生業

葛飾北斎「百人一首宇波か縁説 藤原道信朝臣」(前期)すみだ北斎美術館蔵

飛脚や駕籠かきなど輸送業に携わる人々です。息を合わせながら仕事にいそしんでいる状況がよくみてとれます。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 東海道金谷ノ不二」(前期)すみだ北斎美術館蔵

5章 ものを作る生業

冒頭画像の桶作りの作品はつとに知られた名作ですが、物作りがすべて手作業で行われていた江戸時代、職人の手仕事の様子がよく表されています。絵師などは職人の位置づけで、今の社会でのアーティストとはとらえられていません。

葛飾北斎「五十三次江都の往かい 大津」(前期)すみだ北斎美術館蔵

6章 生業いろいろ

葛飾北斎『北斎漫画』十二編 治療(通期)すみだ北斎美術館蔵

医者や紙屑買いなど、これまでの分類にとどまらない様々な生業を紹介しています。当時の人々の生活の知恵や暮らしぶりを想像することができます。

葛飾北斎「髪結いの武士」(後期)すみだ北斎美術館蔵

北斎の作品は、作品として鑑賞するだけでなく、実際の江戸の人々の暮らしをいきいきと立ち上がらせているのが魅力です。江戸という時代をより深く感じることができると思います。

公式サイト

開始日2019/04/23
終了日2019/06/09
エリア東京都
時間開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
休日休館日:毎週月曜日(月曜ば祝日または振替休日の場合はその翌平日)
その他備考観覧料:一般1000円、高・大学生700円、中学生300円、65歳以上700円、小学生以下無料
開催場所すみだ北斎美術館
アクセス〒130-0014
東京都墨田区亀沢2-7-2
☎03-6658-8936(9:30-17:30)
・都営地下鉄大江戸線「両国駅」出口より徒歩5分
・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
・都営バス・墨田区内循環バス「都営両国駅前」より徒歩5分
・ 墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)停留所」からすぐ
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