特別展「国宝 東寺ー空海と仏像曼荼羅」

1s-東寺五重塔

東寺五重塔

これは凄いと驚愕する展覧会です。国宝やら重要文化財ばかりで圧倒されます。帝釈天騎象像を目当てで出かけ、それはそれで美男でおわしましたが、別にもっと凛々しく力強い仏像を見つけました。本当にとにかく見なければお話になりません。おそるべし東寺!さすがに由緒ある寺院です。

東寺(教王護国寺)は、平安京遷都に伴って、王城鎮護の官寺として西寺とともに建立されました。唐で新しい仏教である密教を学んで帰国した弘法大師空海は、823年に嵯峨天皇より東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。2023年には、真言宗が立教開宗されて1200年の節目を迎えます。空海のもたらした密教の造形物は、美術品としても極めて高い質を誇り、その多彩さや豊かさはわが国の仏教美術の中で群を抜いています。

この展覧会は空海にまつわる数々の名宝をはじめ、東寺に伝わる文化財の全貌を紹介するものです。空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重要文化財4体、合計15体が出品されるほか、彫刻、絵画、書跡、工芸など密教美術の最高峰が一堂に会します。東寺が1200年にわたり、空海の教えとともに守り伝えてきた至宝をご堪能ください。

第一章   空海と後七日御修法(ごしちにちみしほ)

国宝 密教宝具 中国 唐時代・9世紀 東寺蔵

空海は密教を求めて31歳で中国に渡り、約2年間の滞在でそのすべてを修めました。806年に帰国した後、823年に東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。東寺には空海が中国から持ち帰った絵画や工芸品、空海の書の中でも最も格調高い「風信帖(ふうしんじょう)」が残っています。空海は、正月に宮中で修される後七日御修法を始めました。現在は東寺で行われますが、真言宗で最も重要で、かたく秘された儀式です。その堂内の様子を再現しています。再現とはいえ両界曼荼羅の前に壇が設けられ、「五大尊像」や「十二天像」が掛けられた様子はとても厳かで、身が引き締まる思いです。現実では見ることのできない貴重な体験です。

国宝 風信帖(第一通) 空海筆 平安時代・9世紀 東寺蔵
[展示期間:3月26日(火)~5月19日(日)]

風信帖は空海から最澄に宛てた手紙です。空海や最澄は歴史で必ず学びますが、その両人が現実に手紙等でやりとりしていたという事実が目の前に現れてびっくりです。展示期間が前半なのでお見逃しなく。

第二章 密教美術の至宝

真言密教では、造形や儀礼、荘厳の仕方において、それまでの仏教教団とは大きく異なる形式をとります。造形の上では、大日如来を中心として多くの如来・菩薩・明王・天などを集合的に描いて密教の世界観を表した「両界曼荼羅図」や、如来・菩薩などの姿形や手で結ぶ印の形などの細かな規則を図示した図像を重視します。また、儀礼の中で鳴り物の楽器を用いることも特徴です。両界曼荼羅などは東寺に伝わる密教独特の造形の名品で、見始めると時間を忘れそうです。膨大な仏教世界を数学の図のように配してこれでもかと仏さま達がたくさんいらっしゃるのはありがたい感じで、図録に曼荼羅の意味を構造から成り立ちまで説明されているのですが、一向に頭に入らず、これは見て感じてありがたく思う他ないと個人的に思いました。

平安時代の大壇も展示されています。それはおそらく何代となく名僧や導師たちがそこに座り密教の秘事を行ったと思うと感慨深く、また古の物がこのように現在に伝わっていることにも驚きます。

第三章 東寺の信仰と歴史

国宝 兜跋毘沙門天立像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)
中国 唐時代・8世紀 東寺蔵

羅城門(らじょうもん)伝説に彩られた毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)にはじまり、空海ゆかりの舎利信仰や、八幡信仰を伝える遺品、東寺の歴史や宝物についてまとめた「東宝記(とうほうき)」に代表される書跡や古文書など、東寺の信仰と歴史を今日に伝える宝物の数々が展示されています。最初に出会うのは「兜跋毘沙門天立像」です。とても立派な像ですが、腰高、細身でおなじみの毘沙門天とはすこし違うのは、この像が中国・唐の時代に造られたからでしょうか。平安京の羅城門に安置され、都を守護したと伝えられているようです。

国宝 持国天立像(じこくてんりゅうぞう)
平安時代・承和6年(839) 東寺蔵

第四章 曼荼羅の世界

曼荼羅とは、仏の世界を表したもので、インドで成立しました。複雑な密教の世界観を視覚的に表すことから布教に適し、アジア各地に普及しました。空海は長安(ちょうあん)で師恵果(けいか)から両界曼荼羅を伝授されますが、「密教は奥深く、文章で表すことは困難である。かわりに図画をかりて悟らないものに開き示す」(『御請来目録(ごしょうらいもくろく)』)と語るように、イメージの力を重視しました。その到達点ともいえるのが、講堂に安置された21体の仏像から構成される立体曼荼羅です。そのうち15体の仏像が展示されています。 国宝の11体は全方位360度から見られるように配置され、講堂とは違った圧巻の体験です。そして東寺といえば帝釈天さまと仏像女子が真っ先にかけつけるのがイケメンな帝釈天騎象像です。落ち着いたスキっとした顔立ちに惹かれます。

国宝 帝釈天騎象像(たいしゃくてんきぞうぞう)
平安時代・承和6年(839) 東寺蔵

会場は章ごとのテーマに沿った配置とデザインで、わかり易いです。本来ならお寺にあって、信仰をもとに、正面から拝むものを、全方位から国宝の仏様をみることができるのは、展覧会ならではの幸せです。芸術として見る機会をあたえられたことに感謝します。

国宝 降三世明王立像(ごうざんぜみょうおうりゅうぞう)
平安時代・承和6年(839) 東寺蔵

東京国立博物館展覧会ホームページ

展覧会公式サイト

開始日2019/03/26
終了日2019/06/02
エリア東京都
時間開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)、ただし、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館
休日休館日:月曜日、5月7日(火)、ただし4月1日(月)[東寺展会場のみ開館]・29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館  
その他備考観覧料:一般1600円、大学生1200円、高校生900円、中学生以下無料
開催場所東京国立博物館 平成館
アクセス〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
☎03-5777-8600 ハローダイヤル 
・JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分