特別展「明治150年記念 華ひらく皇室文化 ー明治宮廷を彩る技と美ー」

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《中礼服 北白川宮妃房子着用》明治末期(20世紀) 霞会館蔵(通期展示)

現天皇御退位、新天皇御即位、と日にちがせまってきました。平成が終わり新しい元号になります。新しい時代へと移るこの時期に、明治以降の近代皇室の文化が泉屋博古館分館で紹介されています。

明治時代(1868-1912)、諸外国との外交のために皇室では洋装を採り入れ、洋食にて外国使臣をもてなしました。その舞台は、延遼館、鹿鳴館そして明治宮殿へと移り変わります。宮中晩餐会の食器やドレス、ボンボニエールなど、華やかな宮廷文化を観ることができます。また、明治皇室は伝統文化の保護を提唱し、「帝室」(皇室)が「技芸」(美術)の制作活動を奨励する「帝室技芸員」制度が誕生します。美術界の最高の栄誉とされた彼らの作品は、日本文化の象徴として海外でも賞賛されました。明治150 年、そして新時代の幕開けの今、明治皇室が守り伝えようとした日本の技と美をご覧ください(展示替えがあります)。

《入目籠形ボンボニエール》大正天皇即位礼 大正4年(1915)
学習院大学史料館蔵(通期展示)

冒頭の中礼服は北白川宮妃房子着用で、薄いクリーム色の絹紋綾地に薔薇の花が織り出され、スパンコール・ビーズ・金糸による装飾がなされています。スクエアの襟元には白のレースがつき、袖先にはビーズがあしらわれ、皇族妃に相応しい豪華さです。

《鶴亀形ボンボニエール》明治天皇大婚25年祝典
明治27年(1894)3月9日 個人蔵(通期展示)

皇室の慶事の際に配られるボンボニエールにも日本の伝統的な意匠が多く取り入れられ、明治維新により職を失った刀剣金工師達がその製作を担いました。皇室よりの下賜品にも漆芸品など日本の伝統工芸品が多くつかわれています。この小型の菓子器は多くは銀製ですが、陶磁器や木製もあります。形も丸形、箱形、扇形、卵型、動植物や乗り物をかたどったものとまちまちです。細密なものや可愛らしいもの、愛らしいものが多く、見入ってしまいます。

竹内久一《神鹿》大正元年(1912)
画像提供:東京国立博物館 Image: TMN Image Archives(通期展示)

宮中御内廷での生活では伝統的な儀式や生活様式が受け継がれており、「着袴の儀」や「御爪箱」などは、現在に至るまで継承されているそうです。皇室が西洋文化を受容する中でも日本の伝統文化の保護・育成を重要視し、その最高峰の技術を継承しようとしていたことがわかります。

重要文化財 板谷波山《葆光彩磁珍果文花瓶》
大正6年(1917)泉屋博古館分館蔵(通期展示)

《葆光彩磁珍果文花瓶》は板谷波山の作品です。板谷は陶磁の分野で最後の帝室技芸員で、この作品は近代陶芸初の重要文化財になりました。大正6年(1917)、第57回日本美術協会展で最高賞を受賞し、住友家十五代当主・住友吉左衞門友純(ともいと、号・春翠)氏によって購入されたものです。見事なフォルムにまるで光に包まれるかのごとく美しいやきものです。

2代川島甚兵衞《紫陽花双鶏図 綴織額》
明治35年(1902)川島織物文化館蔵(展示期間:4/17-5/10)

様々なジャンルの作品が並んでいます。新しい時代が幕を明けようとしている今、皇室が守り伝えようとした日本の技と美を再確認するよい機会です。

展覧会ホームページ

 

開始日2019/03/16
終了日2019/05/10
エリア東京都
時間開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休日休館日 月曜日(4月29日、5月6日は開館、4月30日、5月7日休館)4月16日(展示替え)
その他備考入館料 一般800円、高大生600円、中学生以下無料
開催場所泉屋博古館分館
アクセス〒106-0032東京都港区六本木1-5-1
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車、エスカレーターで地上に上がり左手。
https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/access.html