ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ ーユニマットコレクションー

⑤常夜灯《日本のリンゴの木》1920年 透明ガラス、型吹き成形、装飾板はプレス成形、サチネ/ベークライト製照明台付

常夜灯《日本のリンゴの木》1920年 透明ガラス、型吹き成形、
装飾板はプレス成形、サチネ/ベークライト製照明台付

1世紀以上の時を経た現代の日本でも人気の衰えることのないルネ・ラリック(1860~1945年)。その世界を紹介する展覧会「ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ ―ユニマットコレクションー」が4月21日まで、練馬区立美術館で開催されています。

扇と櫛《落ち葉》1899-1900年頃 獣角、金、エナメル、絹製リボン

ルネ・ラリックが活躍しはじめたのは、19世紀末ヨーロッパの美術界を席巻した「アールヌーヴォー様式」の時代でした。花や昆虫などの自然のモチーフや女性像を取り込み、有機的で曲線を多用した装飾的なデザインが特徴です。その直後、第一次大戦の1920年代には「アールデコ様式」が全盛を迎えます。直線や円など幾何学的なモチーフは、アールヌーヴォーからの反動のように対照的です。ラリックは、この一見正反対とも思える二つの時代を、前半生をジュエリー作家として、後半生をガラス作家として、二つの分野で成功を収め、その作品は今も世界中で愛されています。

ネックレス《花》1900-05年頃 金、ガラス、バロック真珠

アール・ヌーヴォーの宝飾デザイナーとして活躍したラリックのジュエリーは大変な人気を集め、とりわけ 1900 年のパリ万国博覧会で大きく注目されました。20 世紀に入ると、香水瓶 のデザインと製造を足がかりに、ガラス工芸家としての道を歩みます。1925年のパリで開催された万国装飾美術博覧会(正式名称は現代装飾美術・産業美術国際博覧会)では、自社パヴィリオンを出展し、まさにアールデコを牽引する存在として世界中にその名を轟かせました。日本との関係も深く、1932年に旧皇族の朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)のガラス製レリーフ扉やシャンデリアなどを手がけています。展示では、宝飾とガラスの分野において「アールヌーヴォー」と「アールデコ」の二つの様式を自由自在に生み出しているラリックの作品世界が広がっています。

花瓶《棘》1913年 透明ガラス、プレス成形、ブルー・パチネ

ジュエリーのセクションには30点ほどの名作がならんでいます。代表作のペンダント《女性像とチュペローズ》は、象牙に刻まれた女性像とチュベローズ(別名「月下香」は香水原料にも使われた芳香性の花で、夜が更けるにつれて香りが強まり、人の心を惑わせると伝えられる神秘的な花)の組み合わせで、香りが漂ってきそうです。ラリックは宝石の価値ではなく、表現の芸術性に目を向けさせるジュエリー制作を行い、ジュエリーに「新しい芸術」を意味する「アールヌーヴォー」を誕生させました。

ペンダント/ブローチ《女性像とチュベローズ》1899-1900年頃 
金、エナメル、透胎七宝、象牙、バロック真珠

ラリックは50歳を超えた頃からガラス工芸に転向し、第二の人生を花開かせていきます。ガレやドームらアールヌーヴォーの先達とは対照的に、一貫して透明ガラスの美を追求し、金型成形によるボリューム感溢れるシャープな造形で、今度はガラス界に「アールデコ」という新しいデザイン様式を打ち立てます。「アールデコ」の語源になった1925年パリでの万国装飾美術博覧会で注目を浴びた高さ15mのガラス製野外噴水に関連する女神像や化粧道具、カーマスコット、テーブルウエアなど、生活にアートを取り込み、日常を美しく鮮やかに彩るラリックの優雅なスタイルです。繊細でかつ大胆なデザイン、透明感、可憐と様々な横顔を見せるエレガントな名品ばかりです。

カーマスコット《勝利の女神》1928年 透明ガラス、プレス成形、サチネ

展覧会ホームページ

 

開始日2019/02/24
終了日2019/04/21
エリア東京都
時間開館時間 10:00~18:00 入館は17:30まで
休日休館日 月曜日
その他備考観覧料 一般800円、高・大学生および65-74歳 600円、中学生以下および75歳以上無料
開催場所練馬区立美術館
アクセス〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16
☎03-3577-1821
西武池袋線中村橋(池袋駅より6駅目約16分、または東京メトロ有楽町線・副都心線直通 / 都営大江戸線 練馬駅乗り換え 石神井公園方面へ1駅)下車 徒歩3分
https://www.neribun.or.jp/access/museum.html