アルヴァ・アアルト もうひとつの自然

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アルミン・リンケ撮影 ヴィープリ(ヴィーボルク)の図書館
Alvar Aalto, 1927-35 ©Armin Linde, 2014

JR東京駅の丸の内北口改札を出てすぐ右手が美術館入り口です。多くの乗降客が急ぎ足で行き来する駅構内からすっと入ると、すぐそばの雑踏が信じられない空間があります。今回は私が見慣れていない建築の世界ですが、アルヴァ・アアルトは、身近な家具や照明も手掛けていて、副題の「もうひとつの自然」というテーマを彷彿させる作品があり、建物の建築だけではない作家の生き方が表れている展覧会です。

アルミン・リンケ撮影 ルイ・カレ邸
Alvar Aalto, 1956-59/61-63 ©Armin Linde, 2014

アルヴァ・アアルト[1898-1976]は、「マイレア邸」「パイミオのサナトリウム」「ヴィープリ(ヴィーボルク)の図書館」など、個人邸宅から公共建築までを設計したフィンランドを代表する建築家です。建築にあわせて、家具をはじめ壁面タイルやドアノブに至るまでをデザインするなど、ディテールへのこだわりも徹底していました。また、アームチェアやスツール、照明器具、流線形のガラス器など、彼が手がけたプロダクトデザインは、今やフィンランドデザインのシンボルといえるほど世界中で親しまれています。アアルトは、人々の暮らしをより豊かにしたいというヒューマニズムの考えに基づきながら、フィンランドの豊かな自然のなかに見出した有機的なフォルムを設計やデザインにとり入れました。その建築やデザインに触れると、周囲の環境との親和性や、空間と光の調和のなかに、「もうひとつの自然」のような存在を感じるのはそのためでしょう。

アームチェア 41 パイミオ
Alvar Aalto, 1932 ©Vitra Design Museum, photo: Jürgen Hans

アアルトのマテリアル・スタディ(レリーフ)
©Vitra Design Museum, photo: Ursula Sprecher

本展はヴィトラ・デザイン・ミュージアムとアルヴァ・アアルト美術館の企画による国際巡回展で、ドイツを皮切りに、スペイン、デンマーク、フィンランド、フランスの各国で開催され、日本において20年ぶりとなる個展です。日本はアアルトの重要な影響源でもあったようで、実際に日本を訪れたことはありませんが、日本人の友人や多くの書物を通して、日本の生活や在り方を賛美していたそうです。

アルミン・リンケ撮影 パイミオのサナトリウム
Alvar Aalto, 1928-33 ©Armin Linde, 2014

ヘルシンキにあるアアルトの自邸を見学に訪れる人の25%以上が日本からの観光客だそうです。見学者は彼の自邸に懐かしさを覚え、日本的と感じるのだとすれば、環境との調和を目指すアアルト作品の中に、彼が活躍した頃までの日本が反映されているのではないか、あるものを大事にし、自然と対話をしながら人間の生活の場をつくるという、現代の日本では失われたやわらかなものを観ているのかもしれない、と思われます。

ヴィープリ(ヴィーボルク)の図書館 Alvar Aalto, 1927-35
ⓒAlvar Aalto Museum, photo: Gustaf Welin

東京ステーションギャラリーHP

ネモ・プロフェタ号に乗るアアルト、1960年代
ⓒSchildt Foundation, photo: Göran Schildt

開始日2019/02/16
終了日2019/04/14
エリア東京都
時間開館時間 10:00~18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休日休館日 月曜日(4/8は開館)
その他備考入館料 一般1200円、高校・大学生1000円、中学生以下無料
開催場所東京ステーションギャラリー
アクセス〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-9-1
☎03-3212-2485
JR東京駅 丸の内北口 改札前
・東京メトロ丸の内線「東京」駅(約3分)
・東京メトロ東西線「大手町」駅(約5分)
・東京メトロ千代田線「二重橋前」駅(約7分)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/access.html