オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展

02s.庭の女性たち

ピエール・ボナール《庭の女性たち》1890-91年
デトランプ、カンヴァスで裏打ちされた紙 (4点組装飾パネル)
オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

19世紀末から世紀を渡ってフランスで活躍したピエール・ボナールの大規模回顧展が12月17日まで東京・六本木の国立新美術館で開催されています。

ピエール・ボナール《ル・カネの食堂》1932年 油彩、カンヴァス オルセー美術館
(ル・カネ、ボナール美術館寄託) © Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais /
Patrice Schmidt / distributed by AMF

ピエール・ボナール(1867-1947)は、19世紀末のパリで、ゴーギャン(1848-1903)から影響を受けて結成された芸術家グループ、ナビ派の一員です。時代からすると、印象派のモネ(1840-1926)、ポスト印象派のゴッホ(1853-1890)の後、色の魔術師といわれるアンリ・マティス(1869-1954)とは同世代で、キュビスムのピカソ(1881-1973)の前です。日本にも収蔵されている作品もあるのに、親交も深かったマティスと並んで取り上げられたり、印象派後の方向を見る展覧会などで目にすることは多いものの、ようやく去年は三菱一号館美術館で「オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき」が開催され、ナビ派をまとめて観ることができました。ボナールのファンも増えたのではないでしょうか。

ピエール・ボナール《化粧室 あるいは バラ色の化粧室》1914-21年 油彩、
カンヴァス オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

印象派の画家やその後の現代美術への導入となった巨星たちに比べて名前が知られていないのは、ボナール作品は強烈さに欠けるせいでしょうか。ぼわんとしていて色はやさしく、輪郭がはっきりせず、遠近感もあいまいです。視線を集める点がないので、わたしたちの視線は定まらずに四角い絵のなかを均等に隅々までさまよいます。人の顔は隠されていることも多く表情はよくわからないので、喜んでいるのか、ひょっとして泣いているのか、感情が表されていない状況をどう読んだらいいのか戸惑います。どのようなストーリーにでも受け取れるとも言えますが、どうなのでしょう。ボナールの残した言葉です。

ピエール・ボナール《桟敷席》1908 年 油彩、カンヴァス
オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

「目を離すな、色が意味あるものに変わる瞬間から。」

「似ていることは手段であって目的ではない。その価値は、しばらく見つめたあとに現れる。」

「生きた自然を描き出そうというのではない。絵のほうを生きているようにするということだ。」

ボナールのまなざしが絵画の根源に向けられているのを感じます。

ピエール・ボナール《猫と女性 あるいは 餌をねだる猫》1912 年頃
油彩、カンヴァス  オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

本国フランスでは近年ナビ派の画家たちへの評価が高まり、2015年にオルセー美術館で開催されたピエール・ボナール展では、2014年のゴッホ展に次ぐ、歴代企画展入場者数の第2位、51万人を記録したそうです。

本展は、オルセー美術館の豊富なコレクションを中心に、国内外のコレクションからの出品を加え、130点超の作品で構成されるボナールの大規模な回顧展です。油彩72点、素描17点、版画・挿絵本17点、写真30点といったさまざまなジャンルを通じて、後世の芸術家に大きな影響を与え、今も私たちを魅了するボナール作品をこれほどまとまって観ることができる楽しみな展覧会です。

ピエール・ボナール《黄昏(クロッケーの試合)》1892年 油彩、カンヴァス
オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

国立新美術館ホームページ

展覧会ホームページ

《ル・グラン=ランスの庭で煙草を吸うピエール・ボナール》1906年頃
モダン・プリント オルセー美術館 © RMN-Grand Palais (musée d’Orsay) /
Hervé Lewandowski / distributed by AMF

開始日2018/09/26
終了日2018/12/17
エリア東京都
時間10:00~18:00 
毎週金・土曜日は20:00まで。入場は閉館の30分前まで
休日毎週火曜日休館
その他備考観覧料 一般1600円、大学生1200円、高校生800円
・中学生以下および障がい者手帳をご持参の方(付添いの方1名含む)は入場無料。
・11月14日(水)~11月26日(月)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
開催場所国立新美術館 企画展示室1E
アクセス〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から 徒歩約5分
・都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
http://www.nact.jp/information/access/