ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容―メタモルフォーシス Georges Braque: Métamorphoses

01-8s≪トリプトレモス≫

ジョルジュ・ブラック ≪トリプトレモ≫  ブローチ 金、ルビー
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

ジョルジュ・ブラック(1882-1963)をご存じでしょうか? キュビスムの創始者で20世紀初頭、ピカソとともに、対象物の立体的な全容を平面上に表現するために分割と再構成という手法で絵画に革新をもたらした、美術史上重要な画家です。ピカソの絵で、はて横顔だろうか正面だろうかと思う絵がありますが、キュビスムは遠近法や陰影で立体感を出すやり方から離れ、自由に画家が思うさまを描き、見る者の想像力を高めます。

そのジョルジュ・ブラックが最晩年に取り組んだ「メタモルフォーシス」シリーズを日本で初めて本格的に紹介する展覧会が、パナソニック汐留ミュージアムで開催されています。

画家の最終的な目的であったすべての造形物の美化への挑戦は、絵画や彫刻から始まり、ジュエリー、陶磁器、ステンドグラスなどの装飾芸術に至る様々な形態にメタモルフォース(変容)していったことが展示されています。

何と言っても目を奪われるのは、1963年時のフランス文化大臣、アンドレ・マルローが「ブラック芸術の最高峰」と絶賛したジュエリーの数々で、画家の美への飽くなき追求が結実して芸術作品として陳列され、貴石や金属が煌びやかに華やかに、来場者を魅了します。

ジョルジュ・ブラック ≪カライスとゼーテス≫
 ネックレス 金
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

展覧会構成は序章で画業の重要な変遷をたどるため、現存するブラックの最初の作品《モンソー公園》や《静物》が並び、1章では平面、2章:陶磁器、3章:ジュエリー、4章:彫刻、5章:室内装飾と、メタモルフォースした作品をジャンル別に堪能できます。

ジョルジュ・ブラック ≪青い鳥、ピカソへのオマージュ≫ 1963年 グワッシュ、紙
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

《青い鳥、ピカソへのオマージュ》は1章の平面にあり、ブラックの絶筆とされています。ちなみにグワッシュとは不透明水彩絵の具、またそれを用いた絵画や画法です。

ジョルジュ・ブラック ≪ペルセポネ≫  陶器
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

2章の陶磁器では《ペリアスとネレウス》、《ペルセポネ》など「メタモルフォーシス」の主要なモチーフが皿、ピッチャー、壺など陶磁器作品に変容して登場します。

さて下の画像をご覧ください。ブラックにとって重要なモチーフであるギリシャ神話の女神の頭部の図版を、より完全な造形物にしようと平面を三次元で扱いました。ブラックには、視覚による幸福をさらに触覚の幸福によって補いたいとう要望がありました。3章のジュエリーは本展のハイライトで、かつ「メタモルフォーシス」シリーズの最も重要な作品群です。溜息がでてきます。

ジョルジュ・ブラック ≪ヘベ≫ ブローチ 金、緑エマイユ、青エマイユ
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

ジョルジュ・ブラック ≪ムニコス≫ 指輪 金、紅玉髄のカメオ
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

会場は照明が暗くしてあり、実物は画像よりもっと美しく、魅惑的に見えます。

4章の彫刻では、陶磁器やジュエリーにもみられるモチーフを、改めて彫刻にも用いて、素材と形態の組み合わせを変えながら永遠の命を与えようと試みています。金属や鉱石、ガラスなど、多様な素材によって立体へ変化することで、元の平面作品で表現された形の繊細さはそのままに、輪郭や外観の力強さが加えられていきます。

ジョルジュ・ブラック ≪グラウコス≫ ブロンズ、アメシスト
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

最終の5章の室内装飾ですが、少年時代、家業を継いで装飾画家としての修行を積んだブラックは、折にふれ室内を飾るパネルを制作するほか、タピスリーやモザイクなどにも強く惹かれ、職人と共同で作品制作を行っていました。純粋美術のみならず装飾美術にまで及んだ、 ブラック晩年の挑戦をご覧ください。

ジョルジュ・ブラック ≪小さなビリヤード台≫ 1955-57年 ステンド・グラス
サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵
Archives Armand Israël

展覧会ホームページ

Exhibition Homepage (en)

≪サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック-メタモルフォーシス美術館外観≫

開始日2018/04/28
終了日2018/06/24
エリア東京都
時間開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休日休館日 水曜日(ただし5月2日は開館)
その他備考入館料 一般1000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料
開催場所パナソニック 汐留ミュージアム
アクセス〒105‐8301 東京都港区東新橋1-5-1
パナソニック東京汐留ビル4階
電話 03‐5777‐8600(NTTハローダイヤル)
・JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分
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・都営浅草線新橋駅改札より徒歩約6分
・都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
・ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
https://panasonic.co.jp/es/museum/access/
Access(en):
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