東西美人画の名作 《序の舞》への系譜

01-6 上村松園 《序の舞》重要文化財

上村松園 《序の舞》(重要文化財) 昭和11年(1936)
231.3×140.4 東京藝術大学蔵

東西といっても、洋の東西ではなく、ここでは国内の東と西、つまり東京と関西の美人画を、近代美人画の最高傑作と言われる上村松園の《序の舞》(重要文化財)修理後のお披露目にあわせてたどる展覧会です。

京都に生まれ、鈴木松年や竹内栖鳳らに学びながら独自の美人画様式を確立した上村松園は、官展を中心に活躍し、昭和23年(1948)、女性としてはじめて文化勲章を受章、昭和11年(1936)作の《序の舞》は、松園のもっとも充実した時期に制作された代表作です。

《序の舞》を頂点とする美人画の源流を、江戸時代の風俗画や浮世絵に探りながら、明治中期から昭和戦前期までの東京と関西における美人画の展開をたどる構成となっています。

《舞踊図》重要美術品 六面のうち一面 江戸時代(17世紀) 各63.0×37.1
サントリー美術館蔵 3/31-4/15

上村松園をはじめ菱田春草、鏑木清方(樋口一葉を描いた《一葉》、《にごりえ》の挿絵ほか出品)、菊池契月、北野恒富ら著名画家の他、上村松園とあわせて三園と言われた池田蕉園と島成園、三浦孝、松本華羊、甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)や藝大卒業制作の水谷道彦など作品数約60点ですが、なかなか目にすることのできない作品が多くあります。

菊池契月《散策》 昭和9年(1934) 173.0×173.5 京都市美術館蔵

かつて多くの画家が取り組み競演する美人画(現代では「女性画」と言った方がいいかもしれません)が絶滅している世界に生きている目で見ると、美人画が描かれた昭和初期までの方が幸せな時代に思えるのは、隣の芝は青く見えるということだけではないでしょう。

上村松園 《母子》重要文化財 昭和9年(1934)
168.0×115.5 東京国立近代美術館蔵

会期中、国立新美術館には「絵画史上最強の美少女」といわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》が展示されています(「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」(5月7日まで)。東の美人と西の美少女を比べるのも面白いと思います。

公式サイト

開始日2018/03/31
終了日2018/05/06
エリア東京都
時間午前10時 - 午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休日月曜日(4月30日、5月1日は開館)
その他備考一般 1,400円 、高校・大学生900円、中学生以下と障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
開催場所東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2
アクセス〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
電話: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
JR上野駅(公園口)、東京メトロ千代田線根津駅(1番出口)より徒歩10分
京成上野駅(正面口)、東京メトロ日比谷線・銀座線上野駅(7番出口)より徒歩15分
https://www.geidai.ac.jp/museum/information/information_ja.htm