猪熊弦一郎展 猫たち

11sc 猫と食卓

猪熊弦一郎 《猫と食卓》 1952年 油彩・カンヴァス

JR上野駅中央改札口の上に巨大な壁画《自由》があります。作 猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう)。また三越のピンクの雲のようなものが描かれた包装紙をご存じと思いますが、それも猪熊弦一郎によるものです。《華ひらく》と命名されたデザインは、雲ではなく、海岸で波に洗われる石を見て「波にも負けずに頑固で強く」をテーマにしようと考えたことから生まれたそうです。渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで「猪熊弦一郎展 猫たち」が4月18日まで開催されています。

猪熊弦一郎(1902-1993年)は百花繚乱の昭和の画壇にあって、試行錯誤しながら常に独自の境地を維持し、極めて個性的な作品群を残した画家です。無類の猫好きだったそうで、「いちどに1ダースの猫を飼っていた」ほど。たくさんの猫に囲まれた暮らしのなかで、猫をモチーフにした作品を中心に、写実的なスケッチ、シンプルな線描画、デフォルメした油彩画など、約160点が展示されています。

猪熊弦一郎  題名不明 1987年 インク・紙

戦前はマティスと交流があり、戦後はおよそ20年間ニューヨークを拠点に活躍、その後はハワイでも活動したこともあり、個性的な作品群には奥深さを感じます。

会場の「猫のいる暮らし」の部屋には色鮮やかな油彩画があります。

猪熊弦一郎 《妻と赤い服》 1950年 油彩・カンヴァス

猪熊弦一郎 《青い服》 1949年 油彩・カンヴァス

猪熊弦一郎 《自転車と娘》 1954年 水彩、クレパス・紙

次の部屋「猫のスケッチ」で沢山の猫の色々な表情、姿態を堪能したあと、「モニュメンタルな猫」では泣いている、涙を流す猫に笑ってしまいます。題名不明とありますがこの猫に何があったのでしょう。

猪熊弦一郎 題名不明 1954年頃 油彩・カンヴァス

そして「にらみ合う猫」では威嚇しようと背中をたてた猫たちのこのディフォルメがたまりません。

猪熊弦一郎 題名不明 1950年代 版画・紙

“愛しているものをよく絵にかくんです。愛しているところに美があるからなんです。” この言葉は、“「歩く教室」写生会アルバム”「少年朝日」1950年12月号に載せたものです。確かに愛に溢れている作品です。詩人の谷川俊太郎とも交流があり、俊太郎の猪熊弦一郎を子どもに紹介する絵本『いのくまさん』で「いのくまさんはとりがすき」「いのくまさんはねこもすき」、と列挙しています。そのあとも「いのくまさんは~~がすき」と続くそうで、この俊太郎の絵本『いのくまさん』を読みたくなりました。

後半の部屋「再び猫を描く」と「猫のコンポジション」では、一番好きと思われる作品を見つけられるのではないでしょうか。

猪熊弦一郎 題名不明 1986年 鉛筆・紙

猪熊弦一郎 《不思議なる会合》 1990年 アクリル・カンヴァス

猪熊弦一郎 題名不明 1987年頃 インク・紙

猪熊弦一郎 題名不明 1986年 インク・紙

猪熊弦一郎 題名不明 1986年 インク・紙

猫好きの猪熊弦一郎画伯です。

猪熊弦一郎(1902-1993) 撮影:高橋章

画像は全て、丸亀市猪熊弦一郎美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation

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Bunkamuraザ・ミュージアム 展覧会ホームページ

開始日2018/03/20
終了日2018/04/18
エリア東京都
時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
夜間開館 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
休日会期中無休
その他備考入館料 一般1300円、大学・高校生900円、中学・小学生600円
開催場所Bunkamura ザ・ミュージアム
アクセス〒150‐8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1
℡:03‐5777‐8600(ハローダイヤル)
・JR線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩7分
・東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」より徒歩7分
・東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」3a出口より徒歩5分
http://www.bunkamura.co.jp/access/