特別展「人体 ー神秘への挑戦ー」THE BODY Challenging the Mystery

9sレオナルド・ダ・ヴィンチ「解剖手稿」より頭部断面,脳と眼の結びつき部分 1490-1492年頃 (3)

レオナルド・ダ・ヴィンチ「解剖手稿」より頭部断面、
脳と眼の結びつき部分 1490-92年頃 ウィンザー城王室コレクション所蔵
Royal Collection Trust/© Her Majesty Queen Elizabeth II 2018

「人体 ―神秘への挑戦―」の公式ホームページを検索すると、真っ赤な画面が、まるで心臓の鼓動のように動いています。展覧会への期待が一気に高まるトップページです。同展は、NHK総合の番組、NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」の連携企画で、各分野の始まりから最新の研究までを実物資料や模型に加え、4K映像を交えて紹介しています。

第1章 人体理解へのプロローグ

アンドレアス・ヴェサリウス『ファブリカ』 1543年 広島経済大学所蔵

「キンストレーキ」(男性)19世紀 金沢大学医学部記念館所蔵

「キンストレーキ」(女性)19世紀 福井市立郷土歴史博物館所蔵
(3月13日(火)~5月17日(木)までの期間限定展示)

レオナルド・ダ・ヴィンチの『解剖手稿』や、16世紀の解剖学者アンドレアス・ヴェサリウスの『ファブリカ』初版本をはじめとする貴重な著作物と、解剖学的ワックスモデルや、紙粘土でできた人体模型「キンストレーキ」などを展示しています。「キンストレーキ」はオランダ語でいわば「人造死体」を意味するそうです。体の中を知りたいという執念が迫ってきます。展示されている「キンストレーキ」は江戸時代にオランダを経由輸入され、国内に4体現存しているうちの2体です。すぐ横の壁面ではおなじみのCTやMRIの画像を映し出しています。人体の内部がこれほど鮮明に、しかも3Dで見ることができるとは驚きです。大動脈、肺、心臓、頭頸部などの画像が美しいので、本来の目的を忘れ、なにかアート作品を見ているような気持ちになりました。

第2章 現代の人体理解とその歴史

交感神経節における三細胞性糸球体 サンチャゴ・ラモン・イ・カハール
1911年 カハール研究所所蔵 Cajal Institute, “Cajal Legacy”,
Spanish National Research Council (CSIC), Spain.

「脳の神経線維模型」 スイス、ブシ社製 1893-1910年 
ブールハーフェ博物館所蔵 ©Rijksmuseum Boerhaave, Leiden V25313

レーウェンフックの単式顕微鏡 1673-1723年頃 
アントニ・ファン・レーウェンフック ブールハーフェ博物館所蔵
©Rijksmuseum Boerhaave, Leiden V30337

15世紀から現代までの、人体研究をパネルと当時の顕微鏡等の展示で解説しています。人体がこれらの研究者たちの長年の研究により徐々に解き明かされてきたことがわかります。また光学機器の発達など、他の科学技術の進歩が人体探究に大きく影響してきました。そして循環器系、神経系、消化器系と呼吸器系、運動器系、人体の発生と成長と、人体のそれぞれの部位の展示は、巨大な模型や動物標本を使い丁寧に解説されています。動物の心臓の比較では、それぞれ動物の心拍に合わせて赤いランプが点滅し、鼓動の違いを分かりやすく解説しています。江戸時代の子どもの人骨を使った、幼少期の骨格の成長過程がわかる比較展示など、充実した内容の展示が続きます。人体標本の展示もあるのですが、衝立を回り込まないと見ることができない配慮がなされています。

第3章 人体理解の未来へ向けて

腎臓の糸球体 ©甲賀大輔・旭川医科大学/日立ハイテクノロジーズ/NHK
※画像はラットで撮影。白黒画像にイメージで色を付けています。

精巣の精細管 ©甲賀大輔・旭川医科大学/NHK
※画像はラットで撮影。白黒画像にイメージで色を付けています。

現在では、臓器同志がコミュニケーションを取るネットワークが体の維持に重要な働きを持っていることが明らかになっています。この章ではネットワークとしての人体という概念を超えて、将来私たちはどのように人体を理解するようになるだろうかというテーマが追求されています。DNAの研究史からゲノム解析まで、難しい内容ですが、じっくり解説を読み、レオポンのはく製や船泊23号の複顔像などの解説を読むと、人体という生物の解明がこの先、どこまでいくのかと思わずはいられませんでした。

エピローグ 神秘の巨大ネットワーク
NHKスペシャル「人体」ですっかりおなじみになった、人体のネットワークについての展示です。番組で使われていたレゴで作られた実物大タモリや、子宮の模型が展示されています。各臓器が情報をやり取りする様子を体験できる「NETWORK SYMPHONY」など、楽しみながら人体の神秘を学ぶことができました。

人体という人類にとり永遠の謎に迫る展覧会です。十分な時間をかけてご覧になることをお勧めします。

 

「人体 ―神秘への挑戦―」公式ホームページ

NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク

国立科学博物館ホームページ

Exhibition Homepage

 

開始日2018/03/13
終了日2018/06/17
エリア東京都
時間9:00-17:00  金曜日、土曜日は20:00まで。
入館は閉館時刻の30分前まで。
4月29日(日)、30日(月・休)、5月3日 (木・祝)は午後8時まで、 5月1日(火)、2日(水)、6日(日)は 午後6時まで。
休日月曜日
3月26日(月)、4月2日(月)、4月30日(月・振替休日)、6月11日(月)は開館
その他備考一般・大学生 1,600円、 小・中・高校生 600円
開催場所国立科学博物館(東京・上野)地球館地下1階特別展会場
アクセス東京都台東区上野公園7-20
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
JR「上野駅」公園口から徒歩5分
京成線「京成上野駅」から徒歩10分
東京メトロ銀座線、日比谷線「上野駅」から徒歩10分