ヘレンド展 ー皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯ー Herend: Porcelain from Hungary

06-3s 《色絵金彩浮彫人物図ホットチョコレートセット》

色絵金彩浮彫人物図ホットチョコレートセット 1871年
ハンガリー国立博物館蔵

ハンガリーの名窯ヘレンドのあゆみをたどる展覧会です。およそ230点の展作品の中には世界で初めて公開される貴重なものもあるので、陶磁器愛好家には見逃せない展覧会です。

ヘレンドは1826年に創設され、ハプスブルグ皇帝の保護を受けて発展し、各国の王侯貴族が愛好した名窯として今日も高い評価を得るハンガリーを代表する高級磁器窯です。本展は設立から今日に至るおよそ190年のあゆみを概観します。全体を7章に分けて展示されており、章ごとに見どころが掲示されているので、時代ごとの特徴がよくわかります。

第一章に一点だけ飾られていた『色絵朝顔文皿』はヘレンド時期製作所の黎明期に作られた陶器です。当時の陶器は密度が粗くて吸水性が高く、割れやすい陶器であったため、長持ちせず、ほとんど残されていないとのことなので、貴重な一品といえるでしょう。乳白色の優しい色合いと素朴な装飾から、当時の人々が美しい食器を作りたいと願う気持ちが伝わります。

色絵金彩「ロスチャイルド」文透彫瓶 1869年
ブダペスト国立工芸美術館蔵

第2章、第3章では1839年に資本参加したモール・フィシェルの時代、その息子たちの経営になるヘレンド製作所へと続きます。モール・フィシェルが今日まで続くヘレンドの名声の基礎を築きました。当時は貴族や裕福な市民が所有していた磁器セットの割れてしまった器の補充や、貴族の家に伝わる逸品の複製制作の注文にこたえる中で、飛躍的に技術を向上させたそうです。割れた器を前にした職人たちの姿が目に浮かぶようなエピソードです。同時にこの時期に国際的な博覧会に積極的に参加、磁器の注文数が大きく伸ばします。また、重要な作品群として東洋の磁器を手本に制作されたものが多く展示されています。繊細な絵付け、形、どれを見ても中国、日本の磁器に対する興味と憧れが伝わります。柿右衛門磁器に特徴的なモチーフを取り入れた「ゲデレー」文はオーストリア皇妃兼ハンガリー王妃エリザベートのために作られました。

色絵金彩「ゲデレー」文ティーセット 1875年頃
ブダペスト国立工芸美術館蔵

第4章ではヘレンド窯の重要なモチーフとなった、カーネーションやザクロ、チューリップの絵柄による民族的装飾様式「ハンガリアン・ナショナル」文様の美しい磁器が並びます。優美な線と色彩からは装飾的なだけではない、民族の誇りが感じられます。東洋的な作品の制作は引き続き行われ、この章に展示されている「色絵金彩花卉文獅子飾り蓋八角壺」は世界初公開の作品です。

第5章から第7章まではふたつの世界大戦の間のもの、国有化された時代のもの、そして現代と続きます。会場入り口には現在のヘレンド窯が映像で紹介されています。出演者は全員実際にヘレンドで働く方々です。ヘレンドへの愛を感じました。

黄地色絵花卉文龍飾りティーポット 1860年頃
ハンガリー国立美術館蔵

全体を見終わり、ヨーロッパの陶磁器の中では後発のヘレンド窯が優れた作品の写しを作ることで、技術を磨き現在に至るのかがよくわかりました。そして東洋の美が西洋の人々にとり大きな衝撃だったことも理解しました。西洋におけるジャポニズムに興味のある方にも紹介したくなりました。そして、さすがパナソニックさんです。磁器の肌合い、繊細な絵つけなどを素晴らしい照明で見せてくれます。

会場出口と同ビルにあるパナソニック リビング ショウルーム東京1階のリフォームパーク内の2か所にはヘレンドの人気シリーズを使ったテーブル・コーディネイトが展示されています。優雅なテーブル・セッティングは目の保養になりました。こちらの2か所は写真撮影が許可されています。

展覧会ホームページ

Exhibition Homepage

青地色絵ネオロココ様式人物図植木鉢 1890年代
ブダペスト国立工芸美術館蔵

開始日2018/01/13
終了日2018/03/21
エリア東京都
時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
休日水曜日(ただし3月21日は開館)
その他備考一般:1,000円/65歳以上:900円/ 大学生:700円/中・高校生:500円 /小学生以下無料
開催場所パナソニック汐留ミュージアム
アクセス〒104-8301
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分
東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分
都営浅草線新橋駅改札より徒歩約6分
都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
https://panasonic.co.jp/es/museum/access/