六本木開館10周年記念展 国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》修理後初公開 神の宝の玉手箱

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国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 一合 鎌倉時代 13世紀   サントリー美術館
(全期間展示)

サントリー美術館では5月31日(水)から7月17日(月・祝)まで「六本木開館10周年記念展 国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》修理後初公開 神の宝の玉手箱」を開催している。

この手箱は、平成25年から26年度に本格的な保存修理を行う際に、CTスキャナーなどを用いて調査をして、新たな知見を得たとのことである。施された浮線綾文は、ごく薄い貝の小片を4種13パーツ組み合わせて表すもので、しかもそれぞれが細部まで切り透かれているとのこと。1個  4㎝に満たない文様の中に、緻密な技と膨大な労力がかけられ、美しい手箱になっている。

国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 蓋表 一合 鎌倉時代 13世紀
サントリー美術館(全期間展示)

国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》は北条政子(1157~1225)が愛玩した“政子の手箱”の一つと伝えられている。その蓋裏を6月21日から26日までの6日間に期間限定で観ることができる。蓋を開けた状態で手箱を見ることはほとんどない。素晴らしい蒔絵が蓋裏に余すことなく描かれているのを見るよい機会である。

国宝 浮線綾螺鈿蒔絵手箱 蓋裏 一合 鎌倉時代 13世紀
サントリー美術館(展示期間:6/21~6/26)

第1章 玉なる手箱

平安時代以降、大切な手回り品を入れる箱として使われた手箱は、中国における櫛や鏡などをいれた唐櫛笥が原型とされ、化粧箱の性格を色濃く引き継ぎ、女性の調度の中でも主要な位置にある。一方で神様への捧げものとして作成した具でもある。贅を尽くしてきらびやかで、その価値は独立して見られ、収集・愛蔵の対象でもある。

国宝《秋野鹿蒔絵手箱》は、落ち着いた黒漆塗に平目地を施し、金研出蒔絵と螺鈿とで意匠を表しているが、秋草がとても美しく、また黒漆に映えて白い鳥が愛らしい。

国宝 秋野鹿蒔絵手箱 一合 鎌倉時代 13世紀 島根・出雲大社
(展示期間:5/31~6/26)

他に菊蒔絵手箱、菊慈童蒔絵手箱、蓬莱蒔絵手箱など、艶やかな文様や美しい草花 など、心躍る手箱である。

第2章 手箱の呪力

浦島伝説を想うと手箱がただ単に手回り品を入れただけでなく、秘密の箱、開けてはいけない箱、ととらえられないだろうか。魔除けを象徴する呪術に使った櫛を入れたりするので、ある種の呪力が宿っているのではないかと思われる展示である。

重要文化財 松梅蒔絵手箱および内容品 一具 室町時代 16世紀
鹿児島・枚聞神社(展示期間:5/31~6/26)

第3章   生活の中の手箱

平安時代、手箱には化粧道具だけでなく、扇や冊子など様々な物を日常生活的に入れていた。宮中の公事における調度、室礼などを記した《類聚雑要抄》は、平安後期の衣食住の様相を伝えるもので、それを指図として表したものが《類聚雑要抄指図巻》である。平安時代にタイムスリップした感がする。

御櫛箪笥および内容品は見ていてわくわくして、昔の女性は一つ一つ手に取り何を思って使ったのだろう思いを馳せる。

石山寺縁起絵巻 第五巻(部分)谷文晁筆 七巻のうち一巻 江戸時代 19世紀
サントリー美術館(展示期間:5/31~6/26)

第4章 浮線綾文と王朝の文様

《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》に見られる浮線綾文は平安時代以降、家格や位階に応じて公家の服飾、調度につけた有職文様とよばれるものの一つである。この章では屏風などの絵画資料を合わせつつ、浮線綾文を中心に、桐竹鳳凰麒麟文や三重襷文、小葵紋などの有職文様について、それらが表されている装束や鏡などが展示されている。

国宝 衵 萌黄地小葵浮線綾丸文二重織(熊野速玉大社古神宝類のうち)一領
明徳元年(1390)頃 和歌山・熊野速玉大社(展示期間:5/31~6/26)

これは実際に装束を見て文様を確かめてほしい。

第5章 神宝と宮廷工芸

もともとは認識できなかった神々が人間の姿で表わされるようになると、服飾調度類が奉納されるようになる。それらを「神宝」と呼び、その形式は奉納する側の宮廷の人達の生活様式に準じたため、その時代の宮廷工芸の技術を垣間見ることができる。

国宝 桐蒔絵手箱および内容品(熊野速玉古神宝類のうち)一具 明徳元年(1390)頃
和歌山・熊野速玉大社 (画像提供:奈良国立博物館 撮影:森村欣司)
(展示期間:5/31~6/26)

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開始日2017/05/31
終了日2017/07/17
エリア東京都
時間開館時間: 10:00~18:00。金・土、および7月16日(日)は20時まで開館。いずれも入館は閉館の30分前まで。
休日休館日:火曜日(ただし7月11日は開館)
その他備考入館料:一般1300円、大学・高校生1000円、中学生以下無料
割引: きものでのご来館、ホームページ限定割引券提示/携帯サイトの割引券提示、 国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
開催場所サントリー美術館
アクセス港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結
東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結
東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分
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