クエイ兄弟 The Quay Brothers ―ファントム・ミュージアム― PHANTŒM MUSÆUMS

4.『ストリート・オブ・クロコダイル』よりデコール《仕立屋の店内》1986年s

クエイ兄弟『ストリート・オブ・クロコダイル』より《仕立屋の店内》
1986年 (部分)photo ©Robert Barker

アニメーション好きなら、この展覧会は必見です。

『ストリート・オブ・クロコダイル』(1986年)など、不思議で幻想的、陰鬱、でもどこか軽やかなユーモアも感じられる人形アニメーションで数々の傑作を生み出しているクエイ兄弟。アニメーション制作の舞台装置の精緻なデコール、これまで日本で紹介される機会の少なかった映像作品や舞台美術の仕事、影響を受けたポーランドのポスター作品など、その独自の美の世界の全体像にせまるアジア初の本格的な回顧展です。

《カフカの「夢」》1970年 courtesy Tommy Simoens, Antwerp

アニメーションのセット(デコール*)は、一つの世界観がそこに凝縮されていて、作品は実際のセットのサイズよりも大きく、また迫力を感じさせます。それは、作者の空間を広く見せるために計算されたものから来るのかもしれません。

デコール《BBC2のアイデント》1991年 photo ©Robert Barker

*アニメーション制作に使われる精巧な舞台装置。少しずつ場所やポースを変え、1秒のために25コマを撮影する気の遠くなるような作業を繰り返すことで、人形たちは生命を吹き込まれ、動き出します。そんな制作の秘密が垣間見ることができます。

イラストレーションボードに鉛筆の作品群は、ポスター芸術に影響を受けたものですが、鉛筆による独特な世界で、すでにアニメーションのワンシーンになりそうな雰囲気を醸し出しています。黒い空や暗い空間の部分も鉛筆で黒く描いています。文字を多用しているのは僕の作品にも通じるのですが、文字(カリグラフィー)までも手書き!なのにはこだわりを感じます。

クエイ兄弟《裕福な愛人たち》1970年代  courtesy Tommy Simoens, Antwerp

アニメだけでなく、実写、舞台美術やCMフィルム、ミュージック・ヴィデオ制作などでも活躍しています。例えば1987年のMTVヴィデオ・ミュージック・アワードのベスト・ビデオに選ばれた、ピーター・ガブリエルのPV『スレッジハンマー』などは僕の好きな作品で、随所にクエイ兄弟らしさが散りばめられています。

『世界の劇場』王立カレ劇場・アムステルダム 2016年

展示では、映像作品については、いくつかの作品を部分のみでの紹介となっていますが、毎週日曜日に上映会がありフルレングス(12分〜26分)で見ることができます。日によって上映作品が違いますので、美術館のホームページで見たい作品をチェックしてから行くことをお勧めします。

また東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催される上映企画「ブラザーズ・クエイの世界」との相互割引企画も実施予定だそうなので、そちらの方もチェックしてみて下さい。

 

開始日2017/06/06
終了日2017/07/23
エリア東京都
時間午前10時~午後6時(金曜のみ午後8時まで)
休日6月12日(月)、19日(月)、26日(月)、7月3日(月)、10日(月)、18日(火)
その他備考入館料: 一般1000円(800円)、大学生800円(640円)、 高校生・60歳以上500円(400円)、小中学生100円(80円)
 ※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
 ※土・日曜日、祝休日及び夏休み期間は小中学生無料
 ※毎週金曜日は渋谷区民無料
 ※障がい者及び付添の方1名は無料
開催場所渋谷区立松濤美術館 The Shoto Museum of Art
アクセス〒150-0046
東京都渋谷区松濤2-14-14
TEL:03-3465-9421
京王井の頭線 神泉駅下車 徒歩5分
JR・東急電鉄・東京メトロ 渋谷駅下車 徒歩15分
http://www.shoto-museum.jp/access/