日本、家の列島—フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン

Window house by Yasutaka Yoshimura

吉村靖孝/窓の家/2013年 撮影:ジェレミ・ステラ

フランス人の4名(写真家のジェレミ・ステラ、建築家のヴェロニック・ウルス、ファビアン・モデュイ、日本在住30年でみかんぐみ共同代表のマニュエル・タルディッツ)が企画し、2014年から2016年にフランス、スイス、オランダ、ベルギーの計9都市を巡回した帰国展です。

企画者4名の複眼的視点で独自に選定された日本の近現代の住宅建築の中から70作品が、住宅建築としてすでに有名な「昨日の家」、現在活躍中の建築家による「今の家」、写真家のジェレミ・ステラさんの視点でピックアップされた「東京の家」、の3つの構成で展示されています。

「昨日の家」は、第二次世界大戦前の1933年に竣工したアントニン・レーモンドによる軽井沢の別荘から、1984年の伊東豊雄の自邸「シルバーハット」まで、14の家がパネルと模型で示されています。日本の近代住宅建築の教科書のような作品はさすがの名建築で美しいです。現存している家も多く、よく知られた家々ですが、会場で世界的に著名な建築家の方が模型を長いこと眺めていたほど、現在活躍中のプロフェショナルにも語ることが少なくないようです。

安藤忠雄/住吉の長屋/1976年 撮影:安藤忠雄

「今の家」は会場でもっとも大きなスペースを占めていて、20の家が模型、図面、写真、スケッチ、インタビューのテキストとともに映像も展示されています。インタビューは「なぜ建築家にたのむことにしたのですか」などの具体的な問いと回答で、展示されている写真の家の現実が伝わってきます。また家のたたずまいや生活の場として使っている様子のビデオがあり、図面や模型以後の”生きている現在の家”も紹介されています。

隈研吾/鉄の家/2007年 撮影:ジェレミ・ステラ

「東京の家」は、写真家のジェレミ・ステラさんが撮影した東京周辺にある36の家の写真展示です。家の外観写真が並んでいるのは、ストリートスナップの家版のように見えます。住宅地の中にふと一軒の個性的な家が混ざっていることにわたしたちの目は慣れかけていますが、その特徴はその場所の持つ特性や住む人の生き方が、建築家によってよりきわだったかたちで表されているとあらためて思います。

ジェレミ・ステラ《妹島和世/梅林の家》2010年9月2日

個人住宅には、厳しい制約や難しい条件がつきものでしょう。そのなかで施主の理想や要望をかたちにしてくれるのが建築家。一軒ごとの条件も一人一人の思いも願いも違うのですから、家も建築家によってユニークで新鮮な造形となるのだと思います。

70作品の出展作のうち、「今の家」の大部分が2013年以降の竣工で、「東京の家」は2000年以降の竣工です。4人のフランス人がセレクトした、「昨日の家」をベースに日本の家の今とこれからを示している展示、と言えます。

作品リスト

坂茂/羽根木公園の家―景色の道/2011年 撮影:ジェレミ・ステラ

<イベント>

■本展参加建築家によるギャラリートーク
いま話題の建築家たちにご自身の作品を語っていただきます。さらに会場内の小さなおうちのなかで、住宅デザインについて気軽にご質問いただける絶好のチャンスを設けます。会場が混雑した場合、人数制限することもあります。
各午後3時~午後4時  展覧会場内、予約不要、参加無料(本展の観覧券が必要です)

● 4月
14日(金) 堀部安嗣(堀部安嗣建築設計事務所)
15日(土) 柳澤潤(コンテンポラリーズ) +マニュエル・タルディッツ(みかんぐみ)
21日(金) 河内一泰(河内建築設計事務所)
22日(土) 手塚由比(手塚建築研究所)
24日(月) 中山英之(中山英之建築設計事務所)
28日(金) 前田圭介(UID一級建築士事務所)
29日(土) 吉村靖孝(吉村靖孝建築設計事務所)

● 5月
1日(月) 川本敦史+川本まゆみ (エムエースタイル建築計画)
12日(金) 五十嵐淳(五十嵐淳建築設計事務所)
19日(金) 山下保博(アトリエ・天工人)
20日(土) 菅原大輔(SUGAWARADAISUKE)
27日(土) 塚本由晴+貝島桃代(アトリエ・ワン)

● 6月
2日(金) 西田司+萬玉直子 (オンデザインパートナーズ)
3日(土) 長谷川豪(長谷川豪建築設計事務所)
10日(土) 谷尻誠+吉田愛 (SUPPOSE DESIGN OFFICE)
17日(土) 西沢大良(西沢大良建築設計事務所)

中山英之/O邸/2009年 撮影:ジェレミ・ステラ

■学芸員によるギャラリートーク
*会場の混雑状況によってはスライドトークに変更になります。

4月23日(日)、5月26日(金) 各午後2時~ 展覧会場内、予約不要、参加無料(本展の観覧券が必要です)

■家にちなんだ日限定、もれなくプレゼント!
みかんぐみによる本展限定の特製「おうちのペーパークラフト」を、家にちなんだ4月11日(火)よいいえ、4月16日(日)よいルーム、4月18日(火)よいハウス、5月8日(月)ごはん、5月26日(金)おふろ、にご来館下さった皆様に差し上げます。 (お一人様一枚)

ポワティエ建築会館での展示の様子/2014年 撮影:ジェレミ・ステラ

パナソニック 汐留ミュージアム ウェブサイト

開始日2017/04/8
終了日2017/06/25
エリア東京都
時間午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休日水曜日(ただし5月3日は開館)
その他備考入館料:一般:800円、65歳以上:700円、大学生:600円、中・高校生:200円 小学生以下無料 
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料。
5月18日(木)国際博物館の日は、全ての方が無料。
開催場所パナソニック 汐留ミュージアム
アクセス〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1
パナソニック 東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 03-5777-8600
JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分
東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分
都営浅草線新橋駅改札より徒歩約6分
都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
https://panasonic.co.jp/es/museum/access/