endless 山田正亮の絵画

8_Work_C92_72dpi

《Work C.92》1961-62年 油彩・キャンバス 117×91㎝ 横浜美術館蔵

山田正亮(まさあき。せいりょうと呼ぶ人もいます)という画家をご存じですか?国立の美術館が個展をする=作品が研究されている、わけでそれほどの作家を知らなかったショックに周囲に聞いてみたところ、知っている人は中年より上の年齢で、若い頃上京する度に展覧会に行ったとか、美大生のころ抽象絵画のお手本だったなど、かなり美術に関わりのある人でした。それでもつい6年前まで存命の作家を、若い人や美術ファンが知らないのはどうしたことかと調べると、1970年代後半から1980年代にかけてかなり注目されたものの、1990年代以降は2005年の府中市美術館での開催以外は国内での個展がなく、忘れ去られていたようです。

《Work F.116》1992年 油彩・キャンバス 182×259㎝

美術館の展覧会Webページ冒頭には、

「『描き続けたまえ 絵画との契約である』(山田正亮「制作ノート」より)

“描く”ことを自らの人生と一体化させ、美術の潮流から距離をとり、孤独の中で生涯描き続けた画家、山田正亮。ストライプの画面で知られる彼の画業を網羅した、初の本格的回顧展です。5,000点近い作品から選りすぐった主要作200点超を、初公開の制作ノート群とともにご紹介します。」

と書かれています。制作年数を50年とすると1年に100点、3日に1点が描かれたというのは尋常でない数で、描くことが生きることそのものでなければ達し得ない数でしょう。中心をなすストライプの作品は制作した順に番号が振られ、3から10くらい番号の離れた大小の作品が展示室を埋め尽くしているのですが、その空いている間の番号の作品は展示されている作品と作品の間をつなぐものであることが想像されます。画家は一つの作品を完成しても、ああすればよかっただろうか?とか次はこうしてみよう、とか思うものです。それをまるで修行僧のように脇目も振らず、次から次へと生涯をかけて継続させたのが山田正亮なのかもしれません。誰にでもできることではありません。会場を出たところにある大きなポスターに書かれた「endless」というタイトルが展示を見た実感として身体に沁みます。

《Color no.98》1999-年 油彩・キャンバス 65×53㎝

(以下、「endless 山田正亮の絵画」フライヤーより)

もし仮に生きるということが、つきつめると起きて食べ寝ることの繰り返しであるならば、画家山田正亮(1929-2010)は、「絵画と契約する」ことによって、その生きることに絵を描く営みをも加えてしまった人間です。50年以上ものあいだ、絶え間なく描き続けられた絵画作品の数は、ほぼ5,000点。彼は世俗や流行に背を向け、誰かにおもねることもなく、東京の郊外に構えたアトリエで、ひとりで制作を続けたのです。その作品群は、1978年、康画廊(東京)での個展で、驚きと称賛をもって迎えられ、以降、彼は、現代絵画の遅れてきた寵児として高い評価を受けるようになりました。2005年に府中市美術館で個展が開かれたほか、近年では、欧米圏でも注目を集めつつあります。

左《Work C.73》右《Work C.77》

ともに1960年 油彩・キャンバス 180×68㎝
東京国立近代美術館蔵

初めての包括的な回顧展となる本展では、生前公にされることのなかった膨大な量の制作ノートの解析や、近年進められてきた専門家らによる諸研究を踏まえ、日本の戦後美術において唯一無二の活動を見せた山田正亮の全体像をご紹介します。各年代の主要な作品を網羅することはもちろん、多様な探究の足跡をうかがわせる紙作品、制作ノートなども展示することで、山田正亮の作品総体の、複雑で魅惑的なあり様を体感していただける場を目指します。

<イヴェント>
詳細および最新情報につきましては美術館ホームページをご覧ください。

講演会

■石田尚志(映像作家・画家)+OJUN(画家)
2017年1月15日(日)14:00-15:30

■本江邦夫(多摩美術大学教授)
2017年1月29日(日)14:00-15:30

■坂本夏子(画家)
2017年2月11日(土・祝)14:00-15:30

場所:講堂(地下1階)
*開場は開演30分前、聴講無料(先着140名)、申込不要

《Work B.125》1956年 油彩・キャンバス 117×91㎝ 宇都宮美術館蔵

ギャラリートーク

■中林和雄(当館副館長/本展企画者)
2016年12月9日(金)18:30-19:30 ―終了しました
2016年12月23日(金・祝)14:00-15:00 ―終了しました
2017年1月20日(金)18:30-19:30
2017年2月3日(金)18:30-19:30
場所:「endless 山田正亮の絵画」会場内
*申込不要、要観覧券

山田正亮ポートレート 1956 年

美術館ホームページ

開始日2016/12/6
終了日2017/02/12
エリア東京都
時間10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00) 入館は閉館30分前まで
休日月曜日(1月2日、9日は開館)、年末年始(12月28日[水]-2017年1月1日[日・祝])、1月10日[火]
その他備考観覧料:一般 1,000(800)円、 大学生 500(400)円
*( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
*高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
*キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示で団体料金でご観覧いただけます。
*本展の観覧料で入館当日に限り、「MOMATコレクション」(4F-2F)、「瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす」(2Fギャラリー4)もご観覧いただけます。
開催場所東京国立近代美術館
アクセス〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.momat.go.jp/am/visit/