恩地孝四郎 展 Onchi Koshiro

8金色の魚

《音楽作品による抒情 ドビュッシー「金色の魚」》1936、木版・紙、養清堂画廊

日本における抽象美術の父にして木版画近代化の立役者、そして時代に先駆けたマルチクリエイター恩地孝四郎。日本で最初の抽象表現《抒情『あかるい時』》はもちろん、海外美術館所蔵の重要作62点を含む約400点を一挙公開します。

自画・自刻・自摺による高い芸術性を持った創作版画の大成者として知られる恩地孝四郎(1891-1955)の、20年ぶり3回目、東京国立近代美術館では40年ぶりとなる、過去最大規模の回顧展です。

《抒情『あかるい時』》1915、木版・紙、東京国立近代美術館

恩地は抽象美術がまだその名を持たなかった頃、心の内側を表現することに生涯をかけた人物です。彼の創作領域は一般に良く知られ評価の高い木版画のみならず、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザイン、果ては詩作に及ぶ広大なもので、まるで現代のマルチクリエイターのような活躍がうかがえます。本展では恩地の領域横断的な活動を、版画250点を中心に過去最大規模の出品点数約400点でご紹介いたします。

《オバタマムシ(『博物志』)》1938-42頃、ゼラチン・シルバー・プリント、
東京国立近代美術館

また見逃せないのは、里帰り展示される62点。戦後、特に外国人からの評価が高かった恩地の作品は、その多くが海を渡っていきました。本展では海外所蔵館(大英博物館・シカゴ美術館・ボストン美術館・ホノルル美術館)の多大な協力のもと、現存作が一点しか確認されていない作品や摺りが最良の作品など恩地の重要作をご覧いただけます。

《春の譜》1944、木版・紙、東京国立近代美術館

恩地孝四郎は10代で竹久夢二に私淑し、1914年に東京美術学校に通う田中恭吉・藤森静雄とともに木版画と詩の同人誌『月映』を創刊、表現者の道を歩み始めました。また装幀家としても人気が高く、萩原朔太郎詩集『月に吠える』や室生犀星詩集『愛の詩集』などに恩地の活躍を見ることができます。

《裸膚白布》1928、木版・紙、ドゥファミリィ美術館

昭和期になると、ヨーロッパの新思潮に共鳴して構成的な人体像やクラッシック音楽に想を得た〈音楽作品による抒情〉シリーズを制作する一方、イメージと言葉とデザインの総合を目指した数々の詩版画集や、油彩画にも匹敵する重厚な肖像版画などを発表しました。

《音楽作品による抒情 No.4 山田耕筰「日本風な影絵」の内「おやすみ」》1933[1935]、
木版・紙、ボストン美術館 Museum of Fine Arts, Boston, Gift of L. Aaron Lebowich, 49.737

戦後は、GHQ関係者として来日した外国人コレクターたちの理解と励ましを受けて、抽象美術に専念するようになりました。晩年の10年間に作られた版画作品の半数以上が海外の美術館や蒐集家の手に渡っています。

本展は海外に流出した重要作62点を含め、木版画を中心に、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザインなど、彼の領域横断的な活動をご覧いただきます。大正期から昭和の戦後期にかけて前人未踏の足跡を残した、恩地孝四郎の多彩な世界をお楽しみください。

《あるヴァイオリニストの印象(諏訪根自子像)》1946、木版・紙、東京国立近代美術館

本展関連イベントとして、下記講演会を開催いたします。

■1月30日(土)14:00-15:30 (開場:13:30)
「恩地孝四郎の版画芸術―実験の軌跡」
桑原規子(聖徳大学文学部教授)

■2月14日(日)14:00-15:30 (開場:13:30)
(タイトル未定)
山口啓介(現代作家)
聞き手・松本透(東京国立近代美術館副館長・本展企画者)

※両日とも講堂(地下1階)にて・聴講無料(先着140名)・申込不要

*最新情報につきましては、美術館HPのイベントページをご覧ください。

《自画像(ブルーズ)》1919頃、油彩・キャンバス、東京都現代美術館

美術館ホームページより)

開始日2016/01/13
終了日2016/02/28
エリア東京都
時間10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
休日月曜日
その他備考一般1,000(800)円 大学生500(400)円
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
※キャンパスメンバーズ加入校の学生は、学生証の提示で割引料金400円でご鑑賞いただけます。
*本展の観覧料で入館当日に限り、「MOMATコレクション」(4F-2F)、「ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン」(2Fギャラリー4)もご覧いただけます。
開催場所東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
アクセス〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
http://www.momat.go.jp/am/visit/