東京アートミーティングⅥ “TOKYO”-見えない都市を見せる  Tokyo Art Meeting Ⅵ “TOKYO” -Sensing the Cultural Magma of the Metropolis

mame中

Maiko Kurogouchi / mame Personal Memory 2014 AW, Photo: Motohiko Hasui

東京オリンピック・パラリンピックを2020年に控え、東京は文化都市としてどのような姿を見せているのでしょうか?デジタル化、商業化された文化の外観は、フラットでとらえどころのない荒野、洗練されているゆえに冷たい氷河のようにも見えます。東京が最初にグローバルに注目されたのは1980年代。ユニークな文化を生み出す東京の創造力がそこで一度花開きました。その後、震災と経済不況を経て、いま次なる文化を模索するプラットフォームがたちあがりつつあります。

本展は、東京を新たに「見いだす」二つの要素によって構成されています。一つは、各界で活躍する東京のクリエイターが各々のトピックでキュレーションする「東京」。もう一つは、国内外の作家が「東京」をテーマにつくる新作。

“TOKYO”展は、80年代の東京の文化の命脈–熱いマグマを引き継ぎながら、氷河を割って現れようとしている現在の東京の創造力を見せる展覧会です。アートだけでなく、音楽、映像、デザインなど幅広いメディアを通して、現在の可能性を「見えるように」していきます。

Thomas Demand Control Room 2011 © Thomas Demand, VG Build-Kunst, Bonn
/ JASPAR, Tokyo Collection: Museum of Contemporary Art Tokyo

キュレーション

YMO+宮沢章夫 -文化事象としてのYMOー
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ):細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3名によって1978年に結成。宮沢章夫:1956年静岡県生まれの劇作家・演出家・作家。YMOが確立した「テクノポップ」を、80年代を代表する「文化事象」として改めて捉え直し、現在の東京にどのような影響を与えているかについて「記号としてのファッション」「デジタルな非身体」「メディアとしてのYMO」などのキーワードを手がかりに、宮沢章夫が読み解きます。

蜷川実花 -自己演出の舞台装置ー
1972年東京生まれ。写真家、映画監督。 蜷川は東京を「自己演出の舞台装置」として考え、自身も憧れたという「竹の子族」ブームから、今日までのインスタグラムなどのセルフィーに至るセルフプロデュース文化にインスパイアされた新作の他、観客が実際にその場で写真撮影ができる蜷川のデザインした撮影ブースを用意し、自分をブランディングして発表することの恍惚さと怖さを作品化します。

岡田利規 -飛べなくなった魔法の絨毯-
1973年横浜出身。劇作家、演出家、小説家。チェルフィッチュ主宰。「幼形成熟」(ネオテニー)をテーマに、「渋谷系」を代表するピチカート・ファイヴの『マジック・カーペット・ライド』(1993)から想を得て、東京の今の姿を、魔法が切れて飛べなくなってしまった「魔法の絨毯」にたとえます。小金沢健人のドローイングに「東京というマジックカーペットをもう一度飛ばそうとしている人」の姿を想像し、80年代から今日までの東京の姿を「消えてしまった神話」として展開します。

ホンマタカシ -何かが起こる前夜としての東京-
1962年東京生まれ、写真家。東京という場所の疎外感や、孤独でいることの肯定性や強さをテーマにキュレーションを行います。自身の「東京郊外」シリーズのほか、時代を遡った予兆的な写真や映像、描かれた東京の危機の姿、現代社会をサヴァイヴするためのファッション、理想の東京の住居や建築、そして希望としての子供の存在など、様々な作品を通して「何かが起こる前夜としての東京」が見えてきます。
主な出品作家:桑原甲子雄、中平卓馬、トーマス・デマンド(ドイツ)、赤瀬川原平、大西麻貴+百田有希、黒河内真衣子[mame]、津村耕佑[FINAL HOME]、Chim↑Pom など

EBM(T) -ポスト・インターネット世代の感性-
ナイル・ケティング(1989年生まれ、ベルリン在住)と松本望睦(1990年生まれ、横浜在住)による、東京を拠点に活動する音の発見・共有・拡張を目指すアーティスト・ユニット及び彼らが主宰するバーチャル聴覚室。ポスト・インターネット世代の感性をテーマに、ジェイムス・フェラーロやTCFといったミュージシャンとしても活躍するアーティストの他、テイバー・ロバック、ジェレミー・ショウ、イェンナ・ステラなど日本初公開の若手アーティストを中心にキュレーションします。
主な出品作家:ジェイムス・フェラーロ(アメリカ合衆国)、TCF(ノルウェー)、テイバー・ロバック(アメリカ合衆国)、ジェレミー・ショウ(カナダ)、イェンナ・ステラ(フィンランド)

松江哲明 -東京と私をつなぐ、極私的な風景-
1977年東京生まれ、映画監督。「東京」をテーマにドキュメンタリーフィルムを数多く撮影して来た松江は今回、生まれくる自身の子供の為、自分が育った東京の町を、記憶だけでなく映像に残したいと語ります。楽曲制作にミュージシャンの前野健太を迎え、自身や子供のアイデンティティと共に東京で生きることを大きな決意をもって選んだことをテーマにした新作を発表します。

Yellow Magic Orchestra 1979 © Photo by Masayoshi Sukita

<新作>

スーパーフレックス -公共空間のリデザイン-
ラスモス・ニールセン、ヤコブ・フィンガー、ビョルンスチェルネ・クリスチャンセンの3人によって1993年にコペンハーゲン(デンマーク)にて結成。これまでにも既存の社会的なシステムや公共空間を新たにデザインするようなプロジェクトを数多く発表してきましたが、今回は東京藝術大学の学生との東京の都市空間に関するリサーチから上野公園に点在している礎石の遺構に着目し、東京の公共空間についての提言的作品を発表します。

サーダン・アフィフ -東京の音/リリシズムを探る-
1970年ヴァンドーム(フランス)出身、ベルリン在住。東京の若い世代の音楽シーンに深い関心のあるアフィフは、「東京」という都市のイメージを想起させる詩を用意し、東京で活躍するHer Ghost Friendに作曲を依頼。展覧会のクロージングに合わせて都内3カ所にてライヴパフォーマンスを行います。展覧会では、そのライヴの告知ポスターと、歌詞、そして東京の伝統的な文化に着想を得たオブジェを制作して展示し、アフィフによってもたらされた多様な出会いと解釈が織りなす「東京」のイメージが展開します。

目【め】 -ワームホールとしての東京-
2012年に活動を開始した、荒神明香、南川憲二、増井宏文による現代芸術活動チーム目【め】は、現代の東京に見るいくつかの風景を、ワームホール(時空のある一点から別の離れた一点へと直結するトンネルのような抜け道)に見立てます。全く文脈の異なる構造をもつ風景が同時に同じ場所に存在し、完成された風景として成立していることが「現代の東京らしさ」であると考えた彼らは、都市空間の可能性を体感するモデル型の作品を発表します。

林科 -ダウンロードされ続ける東京-
1984年中国温州生まれ、北京在住。東京へ一度も訪れたことのない林科は、そのことを逆手に取り、インターネットを通して得られる東京のイメージを独自の解釈で再編集した新作を発表します。東京タワーのイメージを使用した《とろとろ線》(2015)など、本展のための新作を中心に、アーティストによってダウンロードされ続ける「東京」が、想像の都市としてアップデートされ、展示空間へと変貌します。

【東京都現代美術館収蔵作品を中心に】
もの派やコンセプチャルなど70年代を前床として、80年代に描かれた作品から最近作までの絵画をセレクション。東京在住の作家による、あるいは東京の画廊や美術館で多く展示されていたこれらの絵画作品を70-80年代、90-2000年前半、2010年以降という大きな流れにそって展示構成します。本展のコンセプトである、80年代のアートの表現と、現代のつながりと変化を概観することを目的としています。もの派、超少女、ニューペインテイング、ネオポップ、マイクロポップと呼ばれるドローイング絵画など作家たちの意識の変遷が形式の変容としてみてとれる。菅木志雄、奈良美智、名和晃平などの作品を展示する予定です。

Tabor Robak 20XX, 2013 Courtesy: the artist and Team Gallery

<関連プログラム>
詳細および最新情報につきましては美術館HPのイベントページをご覧ください。

●松江哲明 スクリーニング&トーク①
「トーキョードリフター」上映
松江哲明が本展のために制作した新作「その昔ここらへんは東京と呼ばれていたらしい」に楽曲を提供した前野健太が、本作の上映に合わせて、そのサウンド・トラックを生伴奏するイベントです。
2015年11月29日(日)14:00-16:00
ゲスト 前野健太
会場 東京都現代美術館 講堂
定員 当日先着200名
料金 無料(ただし当日有効の本展チケットが必要です)

●松江哲明 スクリーニング&トーク②
「極東のマンション」(真利子哲也監督作品)ほか上映
松江哲明が本展のためにキュレーションしたフィルムセレクションから、特にいま見えない都市を見せるために重要な作品を選出。松江自身による解説とともに上映します。
2015年12月20日(日)14:00-16:00
会場 東京都現代美術館 講堂
定員 当日先着200名
料金 無料(ただし当日有効の本展チケットが必要です)

●第52回MOT美術館講座 レクチャー「YMOが切り開いた80年代文化」(仮)
2015年12月23日(水・祝)15:00-17:00(開場14:30)
講師:宮沢章夫(劇作家・演出家・作家)
会場 東京都現代美術館 講堂
定員 当日先着200名
料金 無料(ただし当日有効の本展チケットが必要です)

●サーダン・アフィフ アーティスト・トーク&Her Ghost Friend クロージング・ライヴ
2016年2月14日(日)時間未定
会場 東京都現代美術館 講堂
定員 当日先着200名
料金 無料(ただし当日有効の本展チケットが必要です)

●Her Ghost Friend ライヴ・パフォーマンス
2016年2月10日(水)時間未定
会場 アンスティチュ・フランセ
料金 未定

2016年2月11日(木・祝)時間未定
会場 青山月見ル君想フ
料金 未定

各プログラムの詳細やその他のイベントについては決まり次第美術間HPにてお知らせします。

以下のプログラムは終了いたしました
●アーティスト・トーク
2015年11月7日(土)14:00-16:00
会場 東京都現代美術館 企画展示室1F、3F
参加作家 林科、サーダン・アフィフ、スーパーフレックス *逐次通訳あり
料金 無料(ただし当日有効の本展チケットが必要です)

Jenna Sutela A sketch for Orgs 2015

<同時開催>

「オノ・ヨーコ |私の窓から」2015年11月8日(日)-2016年2月14日(日)
「MOTコレクション」2015年11月7日(土)-2016年2月14日(日)

美術館ホームページより)

開始日2015/11/7
終了日2016/02/14
エリア東京都
時間10:00〜18:00 入場は閉館の30分前まで
休日月曜日(2015年11月23日、2016年1月11日は開館)、11月24日、12月28日~2016年1月1日、1月12日
その他備考観覧料 一般1,200円(960円)/ 大学生・専門学校生・65歳以上900円(720円)/ 中高生700円(560円)/ 小学生以下無料
※( )内は20名様以上の団体料金
※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料
※本展のチケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。 *同時開催の「オノ・ヨーコ |私の窓から」とのセット券もございます。
一般1,800円/ 大学生・専門学校生・65歳以上1,360円/ 中高生1,100円/ 小学生以下無料
開催場所東京都現代美術館 企画展示室1F、3F
アクセス美術館お問い合わせ
03-5245-4111(代表)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分
http://www.mot-art-museum.jp/museuminfo/access.html