ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム      Manga*Anime*Games from Japan

A.展覧会キービジュアル(WEB媒体)

イラスト:アラキマリ ※イラストはイメージです。

日本のマンガ、アニメ、ゲームは世界に類を見ない多様な表現をメディアの壁を超えて押し広げつつ、時には世相の変化や進化するテクノロジーを作品世界に映し出し、また時には拡張された現実や未来世界を私たちに提示します。そして、キャラクターたちは作品世界を飛び出し、私たちの日常に自在に入り込む存在となっています。

手塚治虫が亡くなった1989年以降、私たちは幾度かの震災やテロ事件を経験し、他方で、インターネットやスマートフォンの普及をはじめとするテクノロジーの進化を享受してきました。このような社会潮流の中で、私たちの意識やライフスタイルはめまぐるしく変化してきました。同時代のマンガ、アニメ、ゲームに触れることは、その時々の日本の社会の重層的な側面を見ることと言ってもよいでしょう。

また、本展覧会は、1989年から現在までのおよそ25年間に焦点をあて、複合的メディア表現として深化している日本のマンガ、アニメ、ゲームを総合的に展望し、私達の想像力と創造力を再発見する機会となることを目指します。

本展覧会は1989年以降に制作されたマンガ、アニメ、ゲーム作品について、作品と作品の関係性、そして同時代の社会やテクノロジーと作品との関係を概観するために、8つの章で構成します。

Transcending the boundaries of each individual medium to realize unparalleled artistic expressions, Japanese manga, anime, and games are reflective of social change and technological development. They also present us with an expanded version of reality and a window on the future. Moreover, the characters that appear in these works have the ability to move beyond their fictional realms and become an actual presence in our daily lives.

Since noted manga and anime artist Tezuka Osamu died in 1989, Japan has suffered several earthquakes and terrorist attacks. At the same time, we have benefitted from a variety of technological advances such as the popularization of the Internet and smart phones – developments that have drastically altered our lifestyles and consciousness. Exposure to contemporary manga, anime, and games can also help us gain insight into many and diverse aspects of Japanese society.

Focusing on the 25-year period from 1989 to the present, this unprecedented exhibition presents a comprehensive survey of Japanese manga, anime, and games – three genres that have evolved into an integrated form of media expression – and provides viewers with an opportunity to rediscover their imaginations and creativity.

第1章 現代のヒーロー&ヒロイン

友情、正義の心、そして冒険・・・。第1章では展覧会のプロローグとして、1989年以降に誕生したヒーロー、ヒロインたちを紹介しつつ、マンガ、アニメ、ゲームが持ち続けてきた「王道」たる熱気あふれるテーマの作品を紹介します。

第2章 テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現

1990年代以降の情報通信技術の発達やインターネットの広がりは私たちのコミュニケーションの形を、そして情報の伝達速度や共有の仕方を大きく変化させました。また、デジタル映像技術の進歩は私たちに視覚表現の新たな可能性を提示し続けています。第2章では仮想現実や拡張現実、ロボットといったテクノロジーやネットワーク社会を背景とした世界観を持つ作品や制作技法として3次元CGなどのデジタル映像技術を駆使した作品を紹介します。

「シドニアの騎士」©弐瓶勉・講談社 / 東亜重工動画制作局
Knights of Sidonia ©TSUTOMU NIHEI・KODANSHA/KOS PRODUCTION COMMITTEE

第3章 ネット社会が生み出したもの

デジタル技術を駆使した制作技術とインターネット社会の広がりによって、マンガ、アニメ、ゲームを作り、共有する構造は変化してきました。作品の共有は、作り手と作品の受け手(読者や視聴者、プレーヤー)を直接つなぎ、その関係性は、次なる創作にフィードバックしていくサイクルとなっています。インターネット上での情報共有やコミュニケーションが新たな作品を生み出す土壌となっているといえるでしょう。第3章では個人/同人制作や二次創作など、ネット社会を背景とした、新たな創作プロセスの中で生み出された作品を紹介します。

「ほしのこえ」©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
The voices of a distant star ©Makoto Shinkai / CoMiX Wave Films

「ひぐらしのなく頃に」©竜騎士07 / 07th Expansion
Higurashi When They Cry ©Ryukishi07/07th Expansion

第4章 出会う、集まる―「場」としてのゲーム

ゲームはひとり部屋にこもって遊ぶもの…、それは今や古い見方です。キャラクターの身体を借り(コントローラー越しに)「拳」で語り合いながら対戦すること、そして、インターネット上の「仲間」と共同しながらミッションをクリアすることなど、ゲームの世界では他者とのコミュニケーションが必須のものとなっています。また、音楽ゲームでは、プレイすること自体が一つのパフォーマンスと言ってもよい作品も多く作られてきました。プレーヤーは自身が遊ぶだけに留まらず、作品の実演者としての役割を持ち、作品の「完成形」を押し広げる役割を担うようになっています。そして、そのことはゲーム作品をプレーヤーとその周りの観衆を巻き込んだ体験の共有へと導きます。第4章では、「コミュニケーションの場」と呼ぶべく進化したゲーム作品を紹介します。

「ポケットモンスター 赤・緑」©1995 Nintendo / Creatures inc. / GAME FREAK inc.
POCKET MONSTERS RED and GREEN©1995 Nintendo / Creatures inc. /
GAME FREAK inc.

「モンスターハンターポータブル 2nd」©CAPCOM CO., LTD. 2007 ALL RIGHTS RESERVED.
Monster Hunter Freedom 2 ©CAPCOM CO., LTD. 2007 ALL RIGHTS RESERVED.

第5章 キャラクターが生きる=「世界」

「プロ野球チームの監督になってみたい」、「アイドルをプロデュースしてみたい」・・・、現実ではかなわない夢も、マンガ、アニメ、ゲームの作品の上では体験できます。特に表現や技術の進歩によってキャラクターが歌い、踊れるようになったことで、音楽はキャラクターが持つ重要な「個性」となっています。今ではボーカロイド・ソフトウェア「初音ミク」を文字通り「プロデュース」し、楽曲をインターネットに公開することで、真の意味で「プロデューサー」になれるのです。また、90年代以降、キャラクターは物語のストーリーに必ずしも従属した存在ではなくなりました。さまざまな「個性」を持ったキャラクターが集まることで、キャラクターが生きる空間としての「世界」が生まれ、そこに群像劇として物語が生まれていきます。作品の受け手はその「世界」に時に入り込み、時に俯瞰しながら、作品を受容します。第5章では、アイドルの卵、プロ野球選手、歴史上の人物、さまざまな「キャラクター」たちの生きる「世界」を表現した作品を紹介します。

第6章 交差する「日常」と「非日常」

第6章では日常性と非日常性がさまざまな物語構造で入り混じった作品を紹介します。物語の中の非日常性と共に描かれている日常的な生活や風景は、見る者と作品世界との距離を縮め、身近なものとしてある種のリアリティーを与えます。また、日常的な描写の中に織り込まれた非日常性は、私たちの現実世界と物語世界の一体性を問うてきます。人間関係という最も日常的な要素が非日常性と深く関わりあうという不可思議な関係性を提示する作品など、「日常」と「非日常」がさまざまに交差した作品を紹介します。

第7章 現実とのリンク

マンガ、アニメ、ゲームは時に現実の社会から強く影響を受けた作品を生み出します。特に幾度かの震災は、強い影響を与えました。3つのジャンルのなかでもマンガは世相に素早く反応し、その時々に応じた多彩な題材を作品として描いてきました。働くこと、作ること、日本の伝統文化を継承すること・・・、90年代以降のマンガはこれまでに数多く描かれてきた学校や恋愛、スポーツといったテーマに加え、より多彩で、実社会との接点を持った題材の作品を生み出し続けています。第7章では、現実とリンクした多様なテーマを持つマンガを中心に紹介します。

「あの日からのマンガ」 ©しりあがり寿 / エンターブレイン
Ano-hi kara no Manga (Manga after 3.11) ©SHIRIAGARI Kotobuki / ENTERBRAIN

第8章 作り手の「手業」

アニメの動きやゲームにおけるリアルな映像表現、これらはITや映像技術の進化だけで実現できるわけではありません。技術を使う作り手の「ワザ」や「思い」が込められてこそ、世界に類を見ない映像表現が生まれ、見る者に感動をもたらすのです。展覧会の最終章では、作品の作り手に注目し、その「手業」を、作品を通して紹介します。

作品リストはこちらからご覧いただけます。

関連イベントにつきましては美術館ホームページをご覧ください。

美術館ホームーページより)

開始日2015/06/24
終了日2015/08/31
エリア東京都
時間10:00~18:00 金曜日は20:00まで (入場は閉館の30分前まで)
休日毎週火曜日休館
その他備考観覧料(税込):1,000円(一般) 500円(大学生)
*高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
*団体券は国立新美術館でのみ販売(20名以上に適用) 。200円引きとなります。
*会期中に国立新美術館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、団体料金が適用されます。
*65歳以上の方(年齢のわかるものが必要)は、会期中に国立新美術館で開催中の公募展チケット(半券可)の提示で大学生団体料金が適用されます。
*国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を団体料金でご覧いただけます。
開催場所国立新美術館 企画展示室1E
アクセス〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
ハローダイヤル 03-5777-8600
東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から 徒歩約5分
http://www.nact.jp/information/access.html