鈴木理策写真展 意識の流れ Risaku Suzuki Stream of consciousness

14,WM-61

《水鏡14, WM-61》 2014年

鈴木理策(1963-)は1998年に故郷の熊野をモティーフにした初の写真集『KUMANO』を、翌年に『Piles of Time』を上梓、聖地への旅や移動をテーマにシークエンス(連続)の手法を用いた独自の表現が評価され、2000 年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。

本展では、新作および未発表作を中心に、写真約80点と映像3点を展示。先入観なしに作品を見てほしいという鈴木の願いのもと、作品には被写体や場の名称が記されません。鈴木の写真は言葉になる前の原初の風景として見る者の感覚を呼び起こすのです。

作品の連続性を意識した展示が本展の見どころであり、「写真を一点のみで完結させないことで、見えてくるものがある」と鈴木は語ります。それは写真家から鑑賞者へ、見ることの中に流れる時間を受け渡す試みだといえるでしょう。

《SAKURA 10, 4-45》 2010年

2007年、東京都写真美術館における個展「鈴木理策 熊野、雪、桜」から約8年。鈴木のライフワークともいえる熊野での撮影、また雪や桜を含む自然をモティーフにした作品の制作は継続的に行われています。しかし「『見るということ』そのものを提示したい」と語る鈴木は、いっそう深く澄んだまなざしを被写体に向け、言葉による説明を最小限におさえています。より抽象性を増したともいえる鈴木の写真は、私たち個々の感覚と結びつき、新たな視覚体験をもたらしてくれるにちがいありません。

鈴木は8×10(エイト・バイ・テン)のカメラを担いで自然の中へ出かけます。大判カメラならではの情報量の多さ、つまり普段私たちの視覚では拾いきれない細部まで写り込むのがこのカメラの特徴といえるでしょう。「最後は、カメラに任せる──」。鈴木によれば、カメラは意思をもたない機械であり、撮り手が見ようとしないものも写しとります。それが大きな印画紙に引き伸ばされ、「写ってしまった」世界そのものが提示されることによって、私たちは(鈴木自身も)驚くような発見をするのです。

《White 09, H-343》 2009年

本展の見どころのひとつは、鈴木自身による展示構成です。シークエンス(連続性)を意識した展示では、写真を見る時間の流れの中で鈴木のまなざしを追体験することができるでしょう。

写真を体感できるサイズにもご注目ください。大判カメラで撮影され、印画紙の最大幅1.2mをもちいた大きな画面に引き伸ばされた写真には、実際の風景を目の前にした時のようなリアリティがあります。そこには常に見る対象を選択している私たちの眼と、存在する対象をありのまま写しとるカメラの機能の差異が見えてくるでしょう。鈴木によれば、一連の写真には私たちの眼が画面の隅々まで行き渡るような「仕掛け」があるといいます。そして普段私たちの眼が世界をどのように見ているかについて、問いを投げかけるのです。

本展で公開される映像作品3点は、鈴木が関心を寄せるデジタルカメラで撮影されたものです。スティル写真、動画、動画の静止画からなる作品には「見ること」と「見ている時間」をめぐる鈴木の考察と実験精神がうかがえます。

《水鏡14, WM-77》 《水鏡14, WM-79》 2014年

<関連イベント>

*詳細および最新情報につきましては、東京オペラシティアートギャラリーホームページをご覧ください。

【濱口祐自ライブ】
熊野で生まれ育ったブルースマン、濱口祐自によるライブ。熊野の自然の中で育まれたブルース、カントリー、ジャズ、クラシックなど、幅広いレパートリーを反映したオリジナル曲の数々と、鈴木の写真が共鳴します。
日時:7月30日[木] 19:30開演[19:15開場]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
定員:80名[全席自由/要予約]
料金:当日の一般入場券(一律1200円)が必要です。
※学生割引、障害者手帳、招待券、友の会の無料入場は適用されませんのでご注意ください。

《海と山のあいだ14, DK-335》 2014年

【対談シリーズ「木曜教室」全3回】
◎対談1  8月6日[木]
植島啓司(宗教人類学者) × 鈴木理策

◎対談2  8月27日[木]
石川直樹(写真家)× 鈴木理策

◎対談3  9月10日[木]
清水穣(美術批評)× 鈴木理策

時間:各回19:30 ─ [19:15開場]
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
定員:60名[全席自由/要予約]
料金:当日の一般入場券(一律1200円)が必要です。
※ 学生割引、障害者手帳、招待券、友の会の無料入場は適用されませんのでご注意ください。

申込受付期間
[濱口祐自ライブ][対談1]6/26[金]12:00 ─ 7/10[金]12:00
[対談2、3]7/31[金]12:00 ─ 8/14[金]12:00

申込はこちら

*申込多数の場合は抽選となります。
*当選者には締切後一週間以内にハガキで『入場証』をお送りします。
*就学前のお子様の同伴・ご入場はご遠慮ください。
*展示の観覧は19:00まで。
*いただいた個人情報は、イベントに関連した連絡のみに使用いたします。
*メールまたは電話等での当落の確認はできません。

《海と山のあいだ08,DK-3》 2008年

all images ©Risaku Suzuki / Courtesy of Gallery Koyanagi

 

東京オペラシティアートギャラリーホームページより)

画像の無断使用をお断りいたします。

開始日2015/07/18
終了日2015/09/23
エリア東京都
時間11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休日月曜日(祝日の場合は翌火曜日、ただし9月22日は開館)、8月2日(全館休館日)
その他備考一般 1,200円(1,000円)、大学・高校生 800円(600円)、中学生以下無料
*同時開催「収蔵品展 052 水につながる 寺田コレクションの水彩画」「project N 61西村有」の入場料を含みます。
*収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
*( )内は15名以上の団体料金
*障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
*Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
*割引の併用および払い戻しはできません。
開催場所東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
アクセス〒163-1403
東京都新宿区西新宿3-20-2
03-5777-8600(ハローダイヤル)
京王新線(都営地下鉄新宿線乗り入れ) 初台駅東口下車 徒歩5分以内 (東京オペラシティビルに直結しています。)
京王新線へは、JR新宿駅南口からお乗り換えください。 (京王線とは乗り場が異なりますのでご注意ください。) 京王新線新宿駅4番ホームより笹塚方面へ1つ目の駅が初台です。(乗車時間約2分)
小田急線 参宮橋駅より徒歩約14分
都営地下鉄大江戸線 西新宿五丁目駅A2出口より徒歩約17分