PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015 Kyoto International Festival of Contemporary Culture 2015

Pipilotti Rist, Mercy Garden Retour Skin, 2014. Audio video installation.
Photo inspired by Yuji, courtesy of the artist, Hauser & Wirth, and Luhring Augustine
京都で初めてとなると大規模な現代芸術の国際展、世界の第一線で活躍する作家が集結
国際交流と文化の集積地・京都を舞台に世界の第一線で活躍するウィリアム・ケントリッジ、 サイモン・フジワラ、アリン・ルンジャーン、ヤン・ヴォー、田中功起など作家40組が参加するPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015。主な会場は、京都市美術館と京都府京都文化博物館。歴史ある建物の全館が現代芸術で埋め尽くされるという今までにない空間が展開されます。
美術館入り口にはやなぎみわの巨大な移動舞台車が出現。また、1階の大陳列室には高さ15メートルに及ぶ蔡國強の竹製の塔作品に京都の子どもたちが作った大量のオブジェが飾られるという大型作品が登場します。桜を見がてら立ち寄れるカフェやブックショップなども。 また、明治時代の洋風建築のディテールがそのまま残る重要文化財、京都府京都文化博物館 別館では、森村泰昌とドミニク・ゴンザレス=フォルステルの作品を展示。この場所だからこそ表現できる独特の世界観を構築します。さらに、京都芸術センターにはアーノウト・ミックの映像インスタレーション作品、二条城の北側に位置する1950年初めに建てられた店舗併存集合住宅のモデル堀川団地には、ピピロッティ・リストや笹本晃、ブラント・ジュンソーによる作品が出現。また、鴨川デルタにスーザン・フィリップスによる音の作品が設置され、河原町塩小路周辺にはベルリンの2人組ヘフナー/ザックス、書店のショーウィンドーにはリサ・アン・アワーバック、というように場所と作家の化学反応をみることができます。
PARASOPHIAは私たちのものの見方や態度によって大きく印象が変わっていくものかもしれません。単純にみえる外見の裏に遠大な思考の蓄積を発見したり、途方もないイメージの奔流が日常ととても近いものであったり、毎日の馴染んだ景色が全く新しいものにかわったり、そんなことを見つける喜びや自分の中の変化をお楽しみください。
<アーティスティックディレクターより>
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015は、京都市美術館全館と京都府京都文化博物館を主会場に、京都市内の複数の会場で開催される、私たちの多くが待ち望んでいた大規模な現代芸術の国際展です。
この展覧会には、いま、世界各地で興味深い制作を続けている約40組の芸術家の作品が京都に集います。国際展の巨大化という世界的潮流の中で、10,000㎡以上の展示スペースを確保しながらあえて40組という規模で参加作家への十分な展示スペースの提供と細やかな支援を重視した、大き過ぎない、京都という都市にとっての適正規模となるでしょう。
PARASOPHIAは準備期間の2年間を通じて参加作家のほとんどを京都に招聘しました。作家たちは京都の歴史や文化遺産からだけでなく、人々の暮らし方からも多くのものを読み取り、京都と関わることで新しい作品に挑戦しました。京都市内の場所と出会い、その場の人々や歴史と対話することで新しいビジョンを得た作家たちもいます。作家たちの調査に協力した人たち、彼らと出会い対話を交わした人たちにも変化がありました。そしてその2年間を通じて数多く開催してきたオープンリサーチプログラムやパブリックプログラムは、「私たちが知らない興味深い思考や表現が世界にはたくさんある」という当たり前の事実を多くの方々と共有していくプロセスでした。
PARASOPHIAは、多様な表現や思考と出会う場であり、異質なものを容認し、排除ではなく敬意ある距離感を見つけていく経験のプロセスです。既に知っていることを再度確認する場=娯楽/エンターテインメントではなく、参加作家と鑑賞者の双方を巻き込みながら、10年後、20年後の文化資産に繋がる、思考と創造の継続的で世界に開かれたプラットフォームを京都に根付かせることを目指します。
河本信治
<参加アーティスト>
Lisa Anne Auerbach, American Megazine #1, 2013.
Ink on paper. Installation view with mega-girls,
Los Angeles Municipal Art Gallery, 2013. Photo by Lisa Anne Auerbach,
courtesy of Lisa Anne Auerbach and Gavlak. © Lisa Anne Auerbach
リサ・アン・アワーバック Lisa Anne Auerbach
1967年アナーバー(アメリカ)生まれ、ロサンゼルス在住
Installation view of Stan Douglas, Luanda-Kinshasa, 2013.
Single-channel video projection, 6 hr. 1 min. (loop), color, sound
スタン・ダグラス Stan Douglas
1960年バンクーバー(カナダ)生まれ、在住
蔡國強「農民ダ・ヴィンチ」 2013 サンパウロ、
ブラジル銀行文化センター屋外での展示風景 Photo by Joana França
蔡國強(ツァイ・グオチャン) Cai Guo-Qiang
1957年泉州(中国)生まれ、ニューヨーク在住
ナイリー・バグラミアン Nairy Baghramian
1971年エスファハーン(イラン)生まれ、ベルリン在住
Still from Joost Conijn, Vliegtuig (Airplane), 2000. Video, 29 min.
ヨースト・コナイン Joost Conijn
1971年アムステルダム(オランダ)生まれ、在住
石橋義正 Yoshimasa Ishibashi
1968年京都(日本)生まれ、在住
Video still from Hedwig Houben, The Hand, the Eye and It, 2013.
Lecture/performance. Video by Bas Schevers.
Courtesy of Fons Welters Gallery, Amsterdam
ヘトヴィヒ・フーベン Hedwig Houben
1983年ボクステル(オランダ)生まれ、ブリュッセル(ベルギー)在住
PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015 オープンリサーチプログラム03
[レクチャー/パフォーマンス]
ドミニク・ゴンザレス=フォルステル「M.2062 (Scarlett)」
京都府京都文化博物館別館 2013年9月6日 写真:林直
提供:PARASOPHIA事務局
ドミニク・ゴンザレス=フォルステルDominique Gonzalez-Foerster
1965年ストラスブール(フランス)生まれ、パリおよびリオデジャネイロ在住
サイモン・フジワラ Simon Fujiwara
1982年ロンドン(イギリス)生まれ、ベルリン在住
ヘフナー/ザックス Hoefner/Sachs
フランツ・ヘフナー: 1970年シュタルンベルク(ドイツ)生まれ、ベルリン在住
ハリー・ザックス: 1974年シュトゥットガルト(ドイツ)生まれ、ベルリン在住
ウィリアム・ケントリッジ William Kentridge
1955年ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)生まれ、在住
ラグナル・キャルタンソン Ragnar Kjartansson
1976年レイキャビク(アイスランド)生まれ、在住
ブラント・ジュンソー Brandt Junceau
1959年ニューヨーク生まれ、ニューヨークおよびベルリン在住
倉智敬子+高橋悟 Keiko Kurachi & Satoru Takahashi
倉智敬子:1957年大阪(日本)生まれ、在住
高橋悟:年京都(日本)生まれ、大阪在住
笠原恵実子 Emiko Kasahara
1963年東京(日本)生まれ、藤沢在住
眞島竜男 Tatsuo Majima
1970年東京(日本)生まれ、川崎および別府在住
森村泰昌《侍女たちは夜に甦るV:遠くの光に導かれ闇に目覚めよ》2013
森村泰昌 Yasumasa Morimura
1951年大阪(日本)生まれ、在住
Still from Aernout Mik, Touch, rise and fall, 2008. Video installation.
Courtesy of the artist and carlier | gebauer
アーノウト・ミック Aernout Mik
1962年フローニンゲン(オランダ)生まれ、アムステルダム在住
アン・リスレゴー Ann Lislegaard
1962年トンスベルグ(ノルウェー)生まれ、コペンハーゲンおよびニューヨーク在住
アフメド・マータル Ahmed Mater
1979年タブーク(サウジアラビア)生まれ、アブハー、ジッタおよびメッカ在住
笹本晃 Aki Sasamoto
1980年横浜(日本)生まれ、ニューヨーク在住
Still from Pipilotti Rist, Gigantic Pear Log, 2014. Video installation.
Courtesy the artist, Luhring Augustine, New York, and Hauser & Wirth
ピピロッティ・リスト Pipilotti Rist
1962年グラープス(スイス)生まれ、チューリヒ在住
Susan Philipsz, The Distant Sound, 2014. Three-channel sound installation.
Installation view, Moss, Norway, 2014. Photo by Eoghan McTigue. © Susan Philipsz
スーザン・フィリップス Susan Philipsz
1965年グラスゴー(イギリス)生まれ、ベルリン在住
Installation view of Arin Rungjang, Golden Teardrop, 2013.
Video and site-specific sculptural installation.
Photo by Kornkrit Jianpinidnan, courtesy of the artist and
the Office of Contemporary Art and Culture, Thailand
アリン・ルンジャーン Arin Rungjang
1975年バンコク(タイ)生まれ、在住
フロリアン・プムヘスル Florian Pumhösl
1971年ウィーン(オーストリア)生まれ、在住
ローズマリー・トロッケル Rosemarie Trockel
1952年シュヴェーアテ(ドイツ)生まれ、ケルン在住
田中功起 Koki Tanaka
1975年益子(日本)生まれ、ロサンゼルス在住
From Gustavo Speridião, The Great Art History, 2005–15
グシュタヴォ・シュペリジョン Gustavo Speridião
1978年リオデジャネイロ(ブラジル)生まれ、在住
高嶺格 Tadasu Takamine
1968年鹿児島(日本)生まれ、秋田在住
アナ・トーフ Ana Torfs
1963年モルツェル(ベルギー)生まれ、ブリュッセル在住
ジャン=リュック・ヴィルムート Jean-Luc Vilmouth
1952年クレウツヴァルド(フランス)生まれ、パリ在住
王虹凱(ワン・ホンカイ) Hong-Kai Wang
1971年虎尾(台湾)生まれ、ウィーンおよび台北在住
ヤン・ヴォー Danh Vo
1975年バリア(ベトナム)生まれ
徐坦(シュー・タン) Xu Tan
1957年武漢(中国)生まれ、広州およびニューヨーク在住
やなぎみわ《『日輪の翼』上演のための移動舞台車》2014 写真:沈昭良
やなぎみわ Miwa Yanagi
1967年神戸(日本)生まれ、京都在住
アレクサンダー・ザルテン Alexander Zahlten
1973年ウィスコンシン州マディソン(アメリカ)生まれ、ボストンおよび京都在住
<イベント>
会期中は作家や研究者など様々な人の対話を通して、作品を読み込んでいく「Parasophia Conversations」や「アクセスプログラム」を開催します。 また、蔡國強の作品の一部を作る「子どもダ・ヴィンチ ワークショップ」や会場の一部に出現した教室で、自分でプログラムを考えて使用できる「スタディルーム」など 参加者自身がPARASOPHIAをより楽しめるようになるきっかけをつくります。また、京都府京都文化博物館のフィルムシアターでの「シネマプログラム」では20作品以上の映画を上映。
(公式サイトより)
開始日 | 2015/03/7 |
終了日 | 2015/05/10 |
エリア | 京都府 |
時間 | 会場によって異なります。こちらをご覧ください。http://www.parasophia.jp/visit/ |
休日 | 月曜日(ただし、3/9、5/4は開場。京都府京都文化博物館のみ4/27は開場) |
その他備考 | 当日券(前売券):一般1,800円(1,400円) 大学生または70歳以上1,200円(900円) 団体券(10名以上):一般1,500円 大学生または70歳以上1,000円 パスポート:一般6,000円 大学生または70歳以上4,000円 *( )内は前売り料金、販売は2015年3月6日(金)まで *高校生以下及び18歳未満は無料 *障害者手帳等をご提示の方および付添者1名は無料 *ガイドブックは入場時にお渡しします *前売券・当日券・団体券は、入場当日のみ同会場での再入場可能 *会場ごとに日を改めてご入場いただけます *京都府京都文化博物館フィルムシアターでのPARASOPHIAシネマプログラムを会期中何度でもご覧いただけます(チケット要提示) *パスポートは全会場で会期中何度でもご利用いただけます チケットに関するお問合せ PARASOPHIAチケットセンター TEL: 06-6221-3138 受付時間:10:00–18:00 |
開催場所 | 京都市美術館(メイン会場) |
アクセス | 京都市美術館の他、京都府京都文化博物館、京都芸術センター、堀川団地(上長者町棟)、鴨川デルタ(出町柳)、河原町塩小路周辺、大垣書店烏丸三条店 http://www.parasophia.jp/visit/ |
会場は京都市美術館がメイン会場の他、京都府京都文化博物館、大垣書店烏丸三条店、京都芸術センター、鴨川デルタ(出町柳)、堀川団地、崇仁地区(京都駅東、河原町塩小路周辺)、となっています。京都府京都文化博物館、大垣書店烏丸三条店、京都芸術センターの3カ所は近いので一緒に回りやすいです。京都市美術館以外は1作品から数点の展示です。全部の作品を観るには丸二日はほしいところです。
大垣書店烏丸三条店、鴨川デルタ、崇仁地区は屋外展示です。大垣書店は書店のショーウィンドーなので通りからいつでも見ることができます。鴨川デルタは10時-18時ですが、毎時と毎時30分から3分程度なので、途中行っても何が何だかと思われると思います。その場合は川風と川の高さからの景色を楽しんでください。崇仁地区は日没まで大丈夫です。ガイドブックには京都BAL河原町通面というのがありますが、工事囲いにかけられたルイーズ・ローラーさんの作品のことのようです。同じ作品が京都市美術館にありますので、わざわざ行く必要はありません。
どこから回ってもいいのですが、ブルーのガイドブックがあるととても便利です。無料です。市内のいろいろな所に置いてあるそうですが、入手していなければ、京都市美術館か京都府京都文化博物館から始めれば確実です。
1作品を除き写真撮影が可能です。当然フラッシュ、三脚はNGですが。これは作家さんや収蔵者さんへの理解を求めた結果でしょう。これは評価できるポイントです。
京都市美術館の入り口外観。なにげにチケットブースの外壁が名和晃平作品です。
ほらね。建物の裏側出口近くです。PARA CAFEは館内唯一の飲食場所。食べ物はクッキーとかマフィンとかのみ。裏口側の通りにおそばやさんなどほんの数件ありますが(うち1件は行列します)、岡崎公園内に飲食店が少ないので、外へ出ても5分以上は歩くことになります。
見学は建物に沿って回廊式に一周まわります。座るところもなく(映像のところで休む!)、お年寄りや体力のない方には親切なつくりではありません。
入り口と対面のPARA CAFE の間が天井の高—いアトリウムになっていて、美術館にはめずらしく光が差し込んで気持ちがいいです。通り抜けできてここには入場料なしで入れます。展示は蔡國強さんの竹で何層にもなっているパゴダを中心とした《京都ダ・ヴィンチ》です。
蔡國強さんのジャクソン・ポロック。アクション・ペインティング中。
建物の外観は「威容を誇る」という形容がぴったりで、上野の東京国立博物館を思わせます。京都市美術館設立の機縁は昭和3年に京都で挙行された天皇即位の大典で、その記念事業として、関西の財界はもとより多数の市民の協力を得て「大礼記念京都美術館」として建てられました。PARASOPIAは京都の政財界のオール京都で取り組んだプロジェクトですが、会場の美術館の誕生には京都の人の天皇ご即位への慶賀と文化への敬愛が込められているのですね。
美術館本館の建築設計は「日本趣味を基調とすること」の条件のもと、広く公募され、一等に入賞した前田健二郎の設計図案を基に、昭和6年に着工、昭和8年に竣工しました。この鉄筋コンクリート造の洋式建築に和風の屋根をかけたデザインを帝冠様式というそうで、なるほどなネーミングです。審査員には「建築進化論」や築地本願寺を残したあの伊東忠太(帝冠様式推進者の中心メンバー)が入っています。ちなみに帝冠様式は昭和初期に流行、わが地元のキングと呼ばれる神奈川県庁(1928年)も同じ様式なのですね。当時は東京都美術館に次ぐ日本で二番目の大規模公立美術館でしたが、東京都美術館は後に建て替えられているので、建物としては日本で一番古いと言えます。
戦後は駐留軍に接収されましたが、昭和27年(1952年)、接収解除を機に京都市美術館となりました。今回は地下に残っている靴磨き屋さんのドアも見ることができます。また外にある看板ははがしてみたら、下から、美術館を接収していた部隊についての英文の説明が出てきたと言います。
何度かおとずれていますが、京都市美術館の歴史に目の前で触れることができました。地下で記録映像を上映しています。長くはないですし、一般にはあまり知ることがないと思いますので、ぜひご覧ください。建物とその歴史が作品でもあります。
こちらが「はがしてみたら、下から美術館を接収していた部隊についての英文の説明が出てきた」という看板と思われます。帝冠様式の建物同様立派です。右手奥に見えるピンクはやなぎみわさんのトレーラー。
昭和21年から接収していた米軍の部隊名は第58通信大隊。こちらは近くにあったカフェ、58 Diner(ダイナー)。そんな歴史から名付けられたのかしら。
やなぎみわさんのステージ・トレーラーの本番はこちら。二条城前でのポールダンスのオープニングイベントです。二条城の堀川通りに面した誰もが通る場所で、寒空でしたが注目でした。ヨコトリにも出展のトレーラーですが、パフォーマンスが行われてこその作品です。作品が生きた状態で見ることができてラッキーでした。グラグラするポールで、ダンサーさんにはお疲れさまでした。
倉智敬子+高橋悟作品。ヨコトリとの既視感満載。でも白いせいか、京都のせいか龍安寺を想う。
眞島竜男さん+見学者さんお手伝い中。
笠原恵美子さんの作品。説明があるとわかるのですが。
入り口入ってすぐにある作品《カフェ・リトル・ボーイ》と作家のジャン-リュック・ヴィルムートさん。広島の小学校の校舎の外壁に残された被爆者のメッセージから着想され、時計がその時刻を示しています。黒板にメッセージを書いてください。
グスタヴォ・シュペリジョンさんの《素晴らしき美術史》。ナイス!!
グスタヴォ・シュペリジョンさんの《素晴らしき美術史》は原題《The Great Art History》で、雑誌LIFEに掲載されたわたしたちでも知る有名な写真に落書きを加えたもの。日本語版もあって作家さんの努力と苦労が見えます。
出、出た〜!!日本の美術館ではタブーと言われている春画がサイモン・フジワラさんの作品の一部として展示されています。
そしてサイモン・フジワラさんはLA のThe Mistake Room のInternational Artist Prize を受賞だそうで、おめでとうございます!!
森村泰昌さんによるプラド美術館にあるベラスケスの名画《ラス・メニーナス》の作品。資生堂ギャラリ−で展示されたことがありますが、旧日銀の天井の高い重厚な建物(京都府京都文化博物館)ではまた違って見えます。ヨコハマトリエンナーレでは森村さんによるイヤホンガイドが好評でしたが、ここで作品の前に立つと森村さん自身による説明も聞こえるようになっています。
アーノウト・ミックの映像インスタレーション@京都芸術センターの講堂。画面ごとに異なるシーンですが、どれも大きな会場にたくさんの人が集まっている状況です。住民集会とか、選挙活動か、催眠療法の講座のようなシーンですが、実際の出来事ではなさそうですがフィクションにしては実写っぽく、せまってきます。大勢の人によって起こされる混乱や思わない方向への進行など、まとまると歯止めの効かず、凶暴的になる大衆の力に不安になります。
ここはもともと町家の旦那集によって建てられた小学校の、すばらしい講堂です。東日本大震災の年、開発好明さんのデイリリー・アートサーカスも京都芸術センターさんのご協力を得てここから関東、東北へとアートを運ぶ旅が始まりました。https://to-co-to.com/wp/blog/req/2011/1887/
京都駅東の崇仁地区。フェンスの中がヘフナー/ザックスの作品《Suujin Park》だと思われます。すべり台つきのジャングルジムのような枠組みに、庭や遊び場にあるようなチープなものがたくさんくくりつけてあります。誰もいないし「貼紙禁止」の標識どおり何の案内もないので確認はできません。ここには同じ色のフェンスで囲まれた区画がいくつもあって、その中には黒い金属の網でつくったオブジェが庭石のように散在していたり、道路から一番遠い敷地の中央に誰もいないのに井戸のようなポンプが水を吹き上げていたり、工事中の資材が放置されているのがそのままのようでも不自然なところがあったり、とか様々な不思議なものがあります。後で京都市立芸術大学の「still moving」展の杉山雅之さんの作品であることがわかりましたが、ジャングルジムだけが《Suujin Park》なのかどうかはナゾです。なにしろ「貼紙禁止」でサインもキャプションもないですから。ごちゃまぜではない統一でもない同居感。