ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて

①逢坂卓郎《Appearance and Disappearance》

逢坂卓郎《Appearance and Disappearance Marl》2004年 © Takuro Osaka(参考図版)

21世紀最初の10 年が過ぎ、私たちをとりまく「宇宙」はますます身近なものになりました。研究開発の進むリアルな宇宙と、アーティストの表現としての内的宇宙は、パラレルワールド=並行世界として急速に拡張/集束しつつあります。本展では、2 014 年夏の宇宙ブームにあわせて、限りなく私たちの日常に近づく宇宙領域と、アーティストらによる内的宇宙を、個々のコスモロジー=宇宙論を超える多元的宇宙として呈示します。

日本において戦後すぐに始まったアーティストらの試みは、現代作品(パーティクル=粒子や宇宙線による作品、人工衛星によるサテライトアートなど)として展開を続けています。約1 0 年にわたりJAXAが実施した『人文・社会学利用パイロットミッション』(*)など、世界的にも先駆的かつ意欲的な活動が試みられてきました。また近年、小惑星探査機「はやぶさ」帰還と同 2 号機打ち上げ、大規模な博覧会や展示施設のオープン、種子島宇宙芸術祭プレイベントなど 、宇宙領域は社会的ブームとして活況を見せています。本展は 、アートインスタレーション、人工衛星やロケットの部品(フェアリング)などの宇宙領域資料、宇宙にかかわる文学、マンガやアニメーションなどエンターテインメント領域、参加体験型作品の展示やトーク&イベントを通じて新たな可能性を探り、「拡張/集束する世界をとらえ、描写する」試みです。かつてのような異世界や理想郷としてだけでなく、本当の意味で「日常」となる私たちの「宇宙」について体験し、考えてみましょう。

(*)宇宙芸術プロジェクト=「きぼう」日本実験棟での芸術実験

大平貴之《SUPER MEGASTAR-Ⅱとオーロラ》2008年(参考図版)

多様な[宇宙×芸術]作品・資料を紹介

本展は、幅広い年齢層に楽しんでいただける、体験型展示を含む展覧会です。宇宙と芸術、科学と表現、アートとエンターテインメントなど、多様な視点・要素の作品/資料約5 0 点を2つのフロアにわたって展示します。分野を問わず、創作に多くのイマジネーションと影響を与え続けてきた「宇宙」の現在形を、大型インスタレーションや映像等で展示し、その卓越した魅力を探ります。

鈴木康広《りんごの天体観測》2006年(参考図版)

リアルな宇宙とイマジネーションの宇宙

JAXAがNASDA/ISAS/NAL 時代から取り組んできた宇宙研究開発は、国際宇宙ステーション(2 014 年3 月9 日に若田光一宇宙飛行士が船長に就任)や「きぼう」日本実験棟によって新たな有人宇宙時代を迎えました。月・火星探査も国際的に計画され、地球史は宇宙史へと拡張しつつあります。本展では、「地球外からの視点」をキーワードに、リアルな宇宙とアーティストらによる宇宙に共通する、俯瞰的な視点 /価値観による展示を行います。

oblaat《ポエミクロ》2010年© oblaat(参考図版)

世界の描写

古来「宇」は上下前後左右を「宙」は過去現在未来を示すといわれ、CERN(欧州原子核研究機構)によってヒッグス粒子が確認された現在でも、宇宙に満ちた暗黒物質、ダークエネルギーなど解明されていないことが宇宙には多く存在しています。本展では、素粒子から宇宙を解き明かそうとする科学者のアプローチと、空中に点在するドット/パーティクルで世界を描き出そうとするアーティストのアプローチとの不思議な符合について考えます。

名和晃平《Direction#54》2012年 Photo:Nobutada OMOTE|SANDWICH(参考図版)

参加体験型展示と関連事業

本展では、スーパープラネタリウム「ME GASTAR 」シリーズによる満天の星空、楽しく身体を動かしながら無重力空間をイメージできる「スペースダンス・イン・ザ・チューブ」や宇宙から地球をとらえた高精細映像の上映など、没入感あふれる映像・写真画像を参加体験型展示として展開します。また、会期中に関連事業としてトークやワークショップ(星を見る会 /人工衛星/スペースデブリ=宇宙の環境問題/宇宙建築/宇宙服デザイン/宇宙旅行/夏休み絵画教室/宇宙をテーマとした朗読会/種子島宇宙芸術祭プレイベント等)を予定しています。

森脇裕之《時花》2001年 (参考図版)

これからの[宇宙×芸術]を考えるために

宇宙芸術/スペースアートとは(1 )「宇宙における時空間の概念から、新たな世界観や美意識を創造する」(2 )「芸術、科学、工学の融合をとおして『宇宙、地球、生命』の在り方を問い続ける」(3 )「以上を実現するための宇宙観念と宇宙活動に関する広範な芸術領域」(宇宙芸術コミュニティb e y o n d の定義による)と言われ、また、ロジャー・マリーナ(*)は「実現のために宇宙活動に関係する現代の芸術」であるとし、7つのカテゴリーを挙げて定義しています。新たな芸術領域が成立しようとする瞬間を目撃するために、ぜひ本展へお出かけください。

(*)科学雑誌『レオナルド』元編集長。

チームラボ《Cold Life / 冷たい生命》(書:紫舟)2014年(参考図版)

<主な参加作家>

逢坂卓郎
大平貴之
木本圭子
森脇裕之
名和晃平
鈴木康広
チームラボ
ARTSAT :衛星芸術プロジェクト
oblaat(谷川俊太郎、三角みづ紀、最果タヒ、穂村弘)
松本零士
SPACE FILMS
なつのロケット団
スペースダンス・イン・ザ・チューブ
イ・ヨンジュン
ユリウス・フォン・ビスマルク ほか

<関連イベント>

こちら

和田ラヂヲ《「人工衛星クラブ」よりだいち2号くん》(参考図版)

 

美術館ホームページより)

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開始日2014/06/7
終了日2014/08/31
エリア東京都
時間10:00-18:00(7月18日、25日、8月1日、8日、15日、22日、29日は21:00まで)
*入場は閉館の30分前まで
休日月曜日(7月21日は開館)、7月22日 展覧会情報 会期 2014年6月7日(土)−8月31日(日) 休館日
その他備考一般1300(1040)円、大学生・専門学校生/65歳以上1000(800)円、中高生800(640)円、小学生以下無料
*( )内は20名様以上の団体料金
*小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
*身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料
*本展のチケットで「MOTコレクション」もご覧いただけ ます。
*同時開催の「ワンダフル ワールド」との共通券:一般1600円、大学生・専門学校生/65歳以上1300円、中高生900円、小学生以下無料
開催場所東京都現代美術館 (企画展示室1F/地下2F・アトリウム)
アクセス東京都現代美術館 
〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1
Tel: 03-5777-8600(ハローダイヤル)、 03-5245-4111(代表)
http://www.mot-art-museum.jp/museuminfo/access.html
● 東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分 
●都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分