【大成 哲】個展「Tets Ohnari ∞ Egon Schiele」

201403 ohnari-chairs

「chairs」56×81×44cm × 3脚

■概要

東欧に活動拠点を置く彫刻家、大成 哲の個展となります。
今回は、展示空間に、三つの椅子が並べられ、一つ目は、約100年前に画家エゴン・シーレ自身が製作し、創作活動時に使用していた椅子。
二つ目は、彫刻家である大成がそれを再現した椅子。
三つ目は、その再現過程で生まれた“木くず”を材料としてできた椅子。
モチーフが何であれ、つくり手が誰であれ、「もの」をつくるという本質は人が常に材料を使うことにより、同時に使われた側があったことを気づかせてくれます。
一つ目はエゴン・シーレの椅子という“歴史的価値”があります。
二つ目はレプリカとしての“機能的価値”、そして三つ目は概念からつくられた“美術的価値”があります。どれも同じ形のただの椅子でありながら、物語が違うそれらを平行して並べる今回の展示は、現代アートの領域を広げる、もしくは逸脱するかのような論法で提示されています。

■ご挨拶

私にとって椅子は人の影や跡形にも見え、それは時に家具以上のものにも見え、また彫刻的要素も感じる存在です。
チェコ共和国の南ボヘミア地方にあるエゴン・シーレが住んでいた家で私は生活し、100年前に彼が実際に使っていたという事実と、木工職人と一緒に作った経緯がある、この椅子に私は魅了されました。そして、この椅子を“まねる“ことで、彼自身を体現することを試みました。現地の職人から手ほどきを受け、オリジナルの椅子からレプリカをつくるプロセスのなかで生じる“木くず“に、エゴン・シーレの椅子と自身のレプリカと同じ存在を感じ、その“木くず”からも椅子を制作しました。
一個人がギャラリーでの個展に世界的有名な作家の本物の品を利用させてもらうという展示は稀であり、面白い展示になると思っています。ぜひご高覧ください。

大成 哲

■コメント

ガラス生成のプロセスに生じたクラック。そのクラックを神のドローイングと見立て、その軌跡を人為になぞり、不穏にも並置してみせるという錬金術的な作品によって、VOCA展佳作賞を受賞し、再びのチェコへと旅立った大成哲。

その2年間の成果を示す新作展において、彼はエゴン・シーレが実際に使用していた椅子を借り受け、その完全なる木製のコピー、そしてそのコピーを削り出した際の木屑で成形したもうひとつのコピーという、不穏な3座をして不在の霊気というべき不可視の世界を浮上させようとする。

それはときに固体として、あるいは液体として、そして気体として可変の姿を示す、彼があのガラスにも象徴させてきたエロティックな透過性(transparence)をして、霊気の彫刻の顕現へと向かう予兆に満ち満ちている。

南嶌 宏(女子美術大学教授)

 

[第一生命webサイトはこちらです]

今回のプロジェクトに対しての[クラウドファンディングページ]も開設しました。

よろしければお願い致します。


開始日
終了日
エリア東京都
時間12:00~17:00
休日土・日・祝日
その他備考入場無料
開催場所第一生命南ギャラリー
アクセス〒100-8411
東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21
第一生命本館1F