あなたの肖像 ー 工藤哲巳回顧展 Your Portrait: A Tetsumi Kudo Retrospective

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工藤哲巳《あなたの肖像―種馬の自由》1973年
米津画廊蔵  撮影:福永一夫 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

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工藤哲巳を知っていますか?

名前を聞いたことのない方、多いかもしれません。

でも、どこかで聞いたことがある。どこかで見たことがある。そういう方もいるでしょう。というのも、彼の作品、実は、日本の多くの公立美術館に収蔵されているのです。まさに北は青森、南は九州まで。2011年の横浜トリエンナーレでは、横浜美術館の会場に作品が1点、展示されていました。(横浜美術館は、彼の作品を1点収蔵しています)

日本の戦後美術において、とても個性的で、とても重要な作家、にもかかわらず、いや、それゆえに、と言うべきでしょうか、ここ20年、国内で彼の個展が開催されることはありませんでした。

それでは、工藤哲巳とは誰でしょうか?

1935(昭和10)年2月23日、大阪生まれ。少年期を父の故郷の青森で暮らし、1945年、父の早世後、母の郷里である岡山で高校まで過ごしました。

一年の浪人ののち、東京藝術大学に進学。在学中から制作発表を始め、主に前衛美術の牙城とも言うべき「読売アンデパンダン展」に出品。篠原有司男、荒川修作らとともに「反芸術」世代の代表格として、若くして大きな注目を浴びました。1962年、国際青年美術家展での大賞受賞で半年間のフランス留学の機会を得てパリに渡ります。その後、同地を拠点に主に欧州で活躍しました。

パリ。と言えば、芸術の都。でも工藤は、かつての留学生と違って、パリへ学びに行ったのではありませんでした。パリに到着するなり、若い作家や批評家らと交流し、数多くの展覧会に参加。そこでヨーロッパの人々を挑発するようなスキャンダラスな作品やパフォーマンスを発表。ここでも瞬く間に注目されるようになりました。

当時の工藤の作品制作の目的を、彼の言葉を借りて一言でいえば、

欧州のヒューマニズム(人間と自然、人間と機械などを二項対立として捉え、常に人間を優位に考えること)を批判し、その固定概念から人々を解放することでした。そんな彼の作品のなかでは、人間や日用品、機械や植物、生き物といったモチーフが、肥大化したり、溶け出したり、断片化したり、渾然一体となりながらひとつの生態系を形作ります。

1969年には一時帰国。時はおりしも革命の季節。パリの五月革命の熱気に当てられ、日本の若者の様子を見に来た、というのが彼の弁。千葉県にある鋸山の断崖に、大きなモニュメントを制作し、再びパリへ戻りました。

1970年には、クンストフェライン(デュッセルドルフ)、72年にはアムステルダム市立美術館で個展を行います。1970年代半ばごろから、内省的な作品が増え、鳥かごの中で沈思するかのようなイメージが現れてきます。また、自らの日本人としてのアイデンティティや日本の社会を考察した作品などもこれ以降、作られるようになりました。

1987年には母校の東京藝術大学の教授に就任します。ですが、1990年11月12日に55歳の若さで他界しました。

パリにいながら、終生、フランス語を話さなかったと言われる工藤哲巳。しかし、作品をコミュニケーションの手段にして、欧州の美術界で一定の存在感を示し続けました。

近年、ラ・メゾン・ルージュ(2007年、パリ)、ウォーカー・アート・センター(2008-09年、ミネアポリス)などで大規模な回顧展が開催されるなど、世界的に再評価の機運が高まっています。

日本では60年代初頭に巻き起こった「反芸術」的動向の代表作家という印象の強い工藤哲巳ですが、その活動時期は、彼の作家人生において最初の数年間に過ぎません。

それでは、工藤哲巳とはどういう存在であったのか?

彼は一体何を目指していたのか?

本展覧会は、日本初公開の作品を含み、工藤にとっては作品制作とともに重要な活動の一端であるパフォーマンスの記録映像、写真なども数多く紹介し、工藤の活動を包括的に紹介する大回顧展です。

工藤哲巳《あなたの肖像’67》1967年
青森県立美術館蔵 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

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工藤哲巳(1935-90)は、東京藝術大学在学中から作品の発表を始め、「反芸術」の代表的作家のひとりとして、早くから世間の注目を浴びました。1962年以降はパリに拠点を移し、80年代半ばまで、主に欧州で活動します。日本では「反芸術」の印象の強い工藤ですが、それは最初の数年間に過ぎません。とくにパリに拠点を移したのちは、文明ないし社会批評的観点から作品を制作していきました。本展では日本初公開の作品に加え、彼が作品制作と同様に取り組んできたパフォーマンスに関する記録映像、写真など、総数200点を超える作品や資料を展示し、彼の活動の全貌を紹介致します。日本では20年ぶり、東京では初めての回顧展です。

【イベント情報】

最新情報は 公式サイト でご確認ください。

<講演会>

① 堀浩哉(美術家、多摩美術大学教授)
日程:   2014年2月22日(土)
時間:   14:00-15:30
*記録映画「脱皮の記念碑 工藤哲巳の記録」の上映後、当時から工藤と交友関係を築いた堀氏にお話しを伺います。

② 沢山遼(美術批評)
 「工藤哲巳―自動生産の工学」
日程:   2014年3月1日(土)
時間:   14:00-15:30

③ 中嶋泉(美術史家、明治学院大学研究員)
 「工藤哲巳と草間彌生」
日程:   2014年3月15日(土)
時間:   14:00-15:30

いずれの講演会も聴講無料、申込不要、先着150名
*地下1階講堂にて。開場は開演30分前

<ギャラリー・トーク>

桝田倫広(当館研究員、本展担当者)
日程:   2014年2月14日(金)
2014年3月14日(金)
時間:   18:00-19:00
場所:    1階企画展ギャラリー
*参加無料、申込不要、要観覧券

<上映会>

記録映画「脱皮の記念碑 工藤哲巳の記録」(1970年)
日程:   2014年2月8日(土)
時間:   14:00-14:30
場所:   地下1階講堂
*無料、申込不要、先着150名
*開場は開演30分前

<2/14~2/23「展覧会の記念品」プレゼント!>

バレンタインデー(2月14日)から工藤哲巳の誕生日(2月23日)までの9日間、毎日、工藤展入場先着100名様に、Souvenir de l’exposition(展覧会の記念品)と題してチョコレート(非売品)を1個、プレゼントします!(3種類ありますが、どれが当たるかはお楽しみです。)

*工藤展の会場へ入場する際、チョコレートの引換券をお渡しします。お帰りの際にインフォメーションカウンターにて、それを提示し、チョコレートをお受け取りください

それから、毎日先着100名様のうち、twitter、facebookなどのSNSや、ブログで本展覧会の感想を書いてくださった方には、3種1組のチョコレート(展覧会ポスター引換券つき)をさらにプレゼントします!

コンプリートしたい方、1個では物足りない方、ぜひともご参加ください!

詳しくは 公式サイト をご覧ください。

工藤哲巳《あなたの肖像》1963年
高松市美術館蔵 撮影:高橋章 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

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「あなたの肖像―工藤哲巳回顧展」は、下記の会場・会期で開催されます。
大阪 国立国際美術館 2013年11月2日(土)―2014年1月19日(日)
東京 東京国立近代美術館 2014年2月4日(火)―3月30日(日)
青森 青森県立美術館 2014年4月12日(土)―6月8日(日)

東京国立近代美術館で同時開催の展覧会:

コレクションを中心とした小企画:  泥とジェリー Mud and Jelly
本館 ギャラリー4 (2F)
2014年1月21日(火)~4月6日(日)

所蔵作品展
 「MOMAT コレクション」MOMAT Collection
東京国立近代美術館本館所蔵品ギャラリー (4F~2F)
2014年1月21日(火)~4月6日(日)
前期:1月21日(火)~3月2日(日)
後期:3月4日(火)~4月6日(日)

美術館ホームページ、 展覧会公式サイト より)

*このページに掲載した情報、画像を無断で使用することを禁じます。

開始日2014/02/04
終了日2014/03/30
エリア東京都
時間10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
休日月曜日(3月24日は開館)
その他備考一般850(600)円 大学生450(250)円

*高校生以下および18歳未満、障害者手帳などをご提示の方とその付添者(1名)は無料。
*( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。

*上記料金で入館当日に限り、同時開催の「MOMATコレクション」、「泥とジェリー」および、工芸館で開催の「日本伝統工芸展60回記念 工芸からKOGEIへ」、所蔵作品展「花」もご覧いただけます。
開催場所東京国立近代美術館
アクセス〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1
東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
http://www.momat.go.jp/Honkan/map.html