小平雅尋写真展 「他なるもの」

kodaira masahiro 201306

展示室に入った途端、作品を観る前からなにか直感的に感じるものがあるってことありませんか。よく知っている場所なのに、いつもとは全く違う空気があります。真白い長方形の展示室の長い方がガラスの入口になっているせいで、一つ一つの作品を観る前から展示全体の存在感がせまってきます。作品全てが同じフレーム、マッティング、ワンサイズのモノクロ写真ですが、計算された配置で掛けられています。もうそれだけで「おっ」となります。そして外形に反して、中の写真には共通のものがありません。しいていえば、人工物や人物が少なく自然を写したものが多いのですが、この画像のように海の景色があるかと思えば、つやつやした椿のような葉っぱだったり、さらにはマクロレンズで撮ったような小さな世界まであります。

写真は被写体そのものの力が圧倒的な場合もありますが、被写体に向かっている写真家の視線を観ることが多いと思います。その作家の世界を感じるのが写真を観る楽しさだと思うのですが、小平さんの写真はバラバラで、キャプションもなく読み取りができません。何を撮っているのか、何を表したいのかと聞きたくなります。そこで「あっ」と気づいたのはタイトルの「他なるもの」。この作品たちのシャッターを切るのは自分でない部分の自分?自分の無意識の部分を示す(知る)ために撮られた写真? この展覧会は写真家のフツウの(圧倒的な)部分でない残りの普段は気づかない部分の世界を提示しているのかもしれません。写真や写真展について考えたい方にオススメする展覧会です。

(いなむらはつこ)

以下ギャラリ−ホームページより

東京写真月間2013  増田玲+表参道画廊企画


外界にレンズを向け、シャッターを切る。それによって獲得された
イメージについて考える。そしてその中から何らかの手応えを得た
イメージを他者にむかって差し出す。写真家の営みとはこうした
サイクルの繰り返しだと言えるかもしれません。その営みを通じて、
写真家は何を目指しているのか?私たちに差し出される写真に彼ら
が感じた“手応え”とは一体何なのか?

ある種の写真家にとってその目指すものや手応えとは、何かが分
かること、はっきりとした答えを得ることではなく、むしろ新たな
問いや謎に出会うこと、そしてそれらがはたして他者と共有しるも
のであるかどうか、その不確かな可能性を問うてみることにあるよ
うです。小平雅尋もそうした、どちらかといえば狭き道をたどろう
とする写真家の1人です。

今回の展覧会は、2011年に出版された写真集『ローレンツ氏の蝶』
および、それ以降の作品によって構成されます。不断に続けられる
世界との細やかな対話の中で紡ぎだされてきたイメージの群を通じ
て、本展が、世界についての、あるいは写真というメディアについ
ての、魅力的な問いや謎に出会う機会となることを期待しています。

[増田玲・本展企画者]

http://www.omotesando-garo.com/link.13/masuda+kodaira.html

開始日2013/05/27
終了日2013/06/08
エリア東京都
時間12:00-19:00 (最終日17:00まで)
休日日曜日
その他備考無料
開催場所表参道画廊
アクセス〒150-0001東京都渋谷区神宮前4-17-3
アーク・アトリウム B02
TEL/FAX:03・5775・2469
E-mail: info@omotesando-garo.com
http://www.omotesando-garo.com/intro/index.html