スザンナ・ニーデラー展

susanna niederer 201305

初日はあいにくの雨にも関わらず、多くの方が地下2室、3階の巷房、5階のAPSと4か所の展示場を回遊するような雰囲気でした。
ellips/楕円(空白、欠如、ギャップの意)を象徴的なモチーフとして一貫した制作を続けているスザンナですが、彼女の記憶の中にある山や音符を思わせる具体的な形に置き換えながらも、それはその対象の説明ではないことを伝えています。
ellipsの語源はeclips/日食で、太陽が月に覆われる光の変容のイメージが重なるのかもしれません。
仕事の合間に質問もしてみたのですが、まだまだこの深淵にたどりつくことは難しそう。

連続する形とその間にある空白、そのリズムが素材や形を変えながら4か所の作品ひとつひとつを結んでいるような世界観があり、彫刻家でありランドスケープの作品をつくる彼女ならではの空間のとらえ方を感じます。

そこにあるのだけど、それはそれではない。
無言のうちにあるようにある空間の中に立つと、ゆるやかに記憶と創造力が呼び起こされるような感覚になります。
APSの隣のギャラリーカメリアを運営している原田直子さんが「ししおどし」のようなものかもねと話していました。音そのものではなく、消えゆく音、無音を感じる為にあると言われる。お茶の先生でもある彼女の感性にヒントをもらったような気がします。

古いビルがどんどん壊されていく中で1922年(昭和7年)に建てられた奥野ビルの場所性も作品と特異な関係性をもっていると思います。
世界中を旅するスザンナが毎年のように日本を訪れ、この奥野ビルと出会わせた主催者の南平妙子さん(美術翻訳家)もスザンナとともにほぼ在廊されているので、ぜひ訪ねてみてください。

(きくちゆきこ)

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スイスの作家、スザンナ・ニーデラーの個展を5月20日(月)から6月1日(土)まで、奥野ビル内の4ヵ所 (巷房1、巷房2、巷房階段下、APS)で、巷房とAPSが共同開催いたします。

スザンナ・ニーデラーは2006年より、APSにおける2回を含む計5回の個展と5回のグループ展を日本で行いました。また、2011年、飯野ビルの アート・プロジェクト(他作家:レアンドロ・エルリッヒ、小谷元彦、渋谷清道、山本一弥、平田五郎)に選出され、日比谷公園を借景に、イイノホールの上に 位置する29mのルーフ・ガーデン全体をデザインし、恒久的に作品展示をしております。2012年には、3331 アーツ千代田内のギャラリー Jinで個展を、そしてバーゼルのGalerie Maison 44で大規模な個展を作曲家 Wilfried Maria Dannerの音楽作品とともに開くなど、精力的に制作と活動を展開しております。

「人と人がわかり合うこと」という本質的なテーマに想いを馳せ、そのエッセンスを一貫したモチーフ“ellipse/楕円”(空白・欠如・ギャップ) に表現したインスタレーションと平面作品は、私たちを静謐な空間へと誘います。ニーデラーが生み出すたおやかな世界を体感して頂ければ幸いです。

企画:南平妙子

(ギャラリ−ホームページより)

Kobo and APS are pleased to announce Susanna Niederer’s solo exhibition, which will be held at four venues within the Okuno Building, from May 20 to June 1, 2013.

Since 2006, the Swiss artist Susanna Niederer has held a total of ten exhibitions in Japan: five solo exhibitions (including the two at APS) and five group exhibitions. In 2011, she was selected for the Iino Building Art Project (other artists: Leandro Erlich, Motohiko Odani, Kiyomichi Shibuya, Kazuya Yamamoto, Goro Hirata). For this project, she designed the entire 29-meter roof garden in the building that faces Hibiya Park in the heart of Tokyo. In 2012, she held a solo show at Gallery Jin (housed in 3331 Arts Chiyoda) and a large-scale exhibition at Galerie Maison 44 (Basel), in collaboration with Wilfried Maria Danner’s musical compositions.

The three installations and two-dimensional works in this exhibition all derived from her exploration into the fundamental theme of “how people can have a deeper understanding of one another.” The essential elements she was able to capture as a result of that quest have been embedded within her consistent motif of the “ellipse” (“absence,” “lack,” “gap”). We sincerely hope that visitors experience and enjoy the graceful world of Susanna Niederer.

Co-Organized by Kobo and APS
Curated by Taeko Nanpei

開始日2013/05/20
終了日2013/06/01
エリア東京都
時間12:00 - 19:00(最終日は 17:00 まで)
休日日曜日
その他備考入場無料
開催場所APS、巷房
アクセス104-0061 東京都中央区銀座1-9-8
奥野ビル B1F、3F、#511
teL 03 (3567) 4330
email. info@a-piece-of-space.com