【開発好明】岩手、宮城、福島の仮設住宅で暮らす方々のインタビューによるサウンドインスタレーション

一昨年、宮城で話しをした方の何気ない一言から生まれたプロジェクト
https://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=202291891280665266699.0004b4e391ec4e8474ace&msa=0
ネット上で以前住んでいた場所で昔話をする人々。
純粋に訛や方言を集めて、失われた海岸線沿いの文化を残すプロジェクトですが、今回様々な方言や訛は混じり合うようなサウンドインスタレーションを制作しました。
個々の言葉や話しの面白さだけではなく、静寂と暴力的な音量によって鑑賞者が言葉以上に何かを感じて頂けたらと思います。
「美術と社会」 5月4日(土・祝) 14:00~16:00 富山妙子×開発好明 (アーティスト)
オープニングパーティー 16時 – 18時
(開発好明)
開始日 | 2013/05/04 |
終了日 | 2013/05/26 |
エリア | 東京都 |
時間 | 10:00–18:30 |
休日 | 水曜定休 |
その他備考 | 入場無料 |
開催場所 | プラザギャラリー (北プラザ) http://www.plaza-gallery.com/ |
アクセス | 東京都調布市仙川町1-25-2 |
角地に面したギャラリーは全面がガラス壁になっているため、室内なのに屋外にいるような、広さ以上に広がりを感じられる空間だった。行った日は、開け放たれたドアから入ってくる風とともに落ち葉が室内の床に紛れ込んでいた。
部屋の隅々に置かれた三つのスピーカーからは、それぞれ、福島、宮城、岩手の仮設住宅の集会所にいた人々と開発さんの話し声が聞こえてきた。おじいさんやおばあさんの声に交じって、開発さんの「へぇー」とか「そう?」などという相槌が聞こえてくる。いくつもの何気ない会話は、何とも言えないほのぼのとした気分で包んでくれた。
話し声は、時にひそひそ話のように小さくなり、かと思うと、突然大きな音になり室内空間の中でぶつかり合うようだった。
ギャラリーの外を歩くおばあさんたちの姿とスピーカーから流れるおばあさんたちの声が瞬間ひとつになり、その言葉がそのおばあさんたちから聞こえてくるような気がした。東北のいくつかの町と調布にある仙川町が、二枚の透明なレイヤーになって重なったような、不思議な感覚を覚えた。
音は車に揺られて仙川町までやってきて、音によって私たちの心は東北の町に瞬間移動した。
まだまだ続く音集めの旅に、いつかこっそりついて行きたい、そんな気持ちになった。