ARTIST FILE 2013―現代の作家たち Artist File 2013: Annual Show of Contemporary Art

artist file 2013

展覧会ホームページ:http://artistfile2013.nact.jp/

展覧会概要

国内外で注目すべき活動を展開する現代作家を取り上げ、個展形式で紹介する「アーティスト・ファイル」展。5回目となる今回は約2年ぶりの開催となり、海 外の作家3名を含む8名の作家が参加します。出品作家は30代から60代まで世代も幅広く、表現メディアも多様ですが、いずれも芸術表現の無限の可能性に 挑みつつ、社会を真摯に見つめ、自己と向き合いながら、ひたむきに制作に取り組んでいます。彼らの作品をとおして最新のアートに触れていただくとともに、 本展が、我々が生きる複雑で豊かな世界を静かに見つめるきっかけとなれば幸いです。

出品作家

ダレン・アーモンド
Darren ALMOND (1971-)

ウィガン(英国)に生まれる。 現在、ロンドン在住。
今日のイギリスを代表する作家の一人であるダレン・アーモンドは、1990年代に同国の現代美術界に旋風を巻き起こしたYBA*の活動の頂点とも言うべき「センセーション」展(1997)に最年少で参加し、注目を集めました。
その後、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)やテート・トリエンナーレ(2009)への参加をはじめ、国内外で精力的に活動を続けています。時間や記 憶、旅をテーマとした作品は、写真から立体、映像まで多岐にわたり、いずれも抒情的で瞑想的な美しさを湛えています。本展では、2005年のターナー賞に ノミネートされた映像作品《あなたがいれば・・・》と、世界各地で撮影した幻想的な写真シリーズ《Fullmoons》を展示します。
*1990年代にイギリスの美術界で頭角をあらわした一群の若手アーティストの総称「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」の略

東亭順
AZUMATEI Jun (1973-)

東京に生まれる。 現在、バーゼル(スイス)在住。
東亭順は、「記録」と「記憶」が切り結ぶ関係の諸相を、造形表現に紡ぎだしてきました。写真の上にアクリル絵具とニスを塗り重ね、紙ヤスリで磨いて仕上げ た独自の絵画には、写真で鮮明に記録されていたはずの空や雲が、美しくも、とらえどころない像として浮かび上がります。また2009年に渡欧してからは、 木枠に張った古いシーツにニスを施す手法によって、新たな絵画表現を展開してきました。にじんだニスがおぼろげな模様をなすシーツを透かして、木枠から壁 へと視線を導く絵画は、平面でありながら重層的であり、誰とは知れぬ、かつてのシーツの持ち主の記憶をたぐりよせる時間性をも内包します。本展では、新作 の絵画を組み合わせたインスタレーションを出品します。

ヂョン・ヨンドゥ
Yeondoo JUNG (1969-)

晋州(韓国)に生まれる。 現在、ソウル在住。

ヴェネツィア・ビエンナーレ(2005)や台北ビエンナーレ(2006)をはじめ、国際的な舞台で活躍するヂョン・ヨンドゥは、韓国を代表する現代作家の 一人です。CGを使用しない実写による独自の手法によって制作された写真や映像は、現実と虚構が交錯する不思議な世界をとらえ、新たなリアリティを生みだ します。常に人々とのコミュニケーションをとおして作品を制作し、ごく普通の人々が抱く夢や、彼らのささやかな人生に温かな光を当てるヂョン・ヨンドゥ。 本展では、子供が描いた絵をもとに制作された写真シリーズ《ワンダーランド》と、韓国の老人が語るエピソードを映像によって再解釈した《手作りの記憶》を 出品します。

利部志穂
KAGABU Shiho (1981-)

神奈川県に生まれる。 現在、神奈川県在住。

利部志穂は、拾得した廃材、購入した材料、現場で見いだされたもの、ヴィデオ映像、ドローイング、ことばなど、使用可能で手に入る、ほとんどあらゆる素材 を用いて、インスタレーションを制作します。展示される場もまた、美術館、画廊、家屋、空店舗、工場など、様々です。作者は、これらの素材を相互に、そし て場と、接合し関係づけることによって、緊張感に満ちた仮設的な空間を作り上げます。ときにはそこに作者自身の身体が挿入され、パフォーマンスが行なわれ ることもあります。こうして、私たちが世界との間に取り結んでいると思われていた関係は、解体/再構築されるのですが、それはリアルな現在性を獲得しよう とする試みなのです。

國安孝昌
KUNIYASU Takamasa (1957-)

北海道に生まれる。 現在、茨城県在住。

規則的にユニットを組み合わせる仕事で制作を始めた國安孝昌は、80年代半ばには、積み木のような形状の陶片と丸太を積み上げ、巨大な構築物を制作するよ うになりました。それは、彫刻のように自律した立体ではなく、また作品を組み合わせたインスタレーションでもありません。室内空間や建築物、あるいは自然 の形象に寄り添い、増殖するように展開する造形物は、作家独特の方法論や手法によるものです。近年は屋外のサイト・スペシフィックな仕事を手がけることが 多いだけに、久しぶりの屋内で、しかも国立新美術館の空間を使ってどのような可能性を追求するのか楽しみです。

ナリニ・マラニ
Nalini MALANI (1946-)

カラチ(インド、現パキスタン)に生まれる。 現在、ムンバイ(インド)在住。

イメージの断片を幾層にも重ね、夢想的かつ寓意的な絵画や映像作品を展開するナリニ・マラニは、インドを代表するアーティストの一人です。ともすれば、エ キゾティシズムにみちた幻想的な物語としてとらえられうる彼女の作品には、暴力や抑圧など現代社会が抱える矛盾に対する作家の批判が潜んでおり、その多義 にわたる解釈は観る者に委ねられています。画家として出発した後、1990年代以降には、映像やインスタレーション、さらにはパフォーマンスへと表現の幅 を広げ、インド国内のみならず国際的な展覧会でも作品を精力的に発表しています。本展では絵画作品のほか、「ドクメンタ13」(2012)に出品された新 作の映像インスタレーションを展示します。

中澤英明
NAKAZAWA Hideaki (1955-)

新潟県に生まれる。 現在、岐阜県在住。

東京藝術大学で油画技法材料研究室に学んだ中澤英明は、手間のかかるテンペラ技法を使って制作を続けています。近年は、規格サイズの画面を使い、モノトー ンの背景に、正面を向いた子供の胸像を繰り返し描いています。写実的のようで、どこか現実離れした表情を帯びた子供たちは、一見愛らしくありながら、どこ か冷めた、作品によっては、毒気さえも感じさせます。中澤のテンペラと油彩を併用した画面は、独特の絵肌を持っていますが、それは、作家の造形感覚を定着 させるために不可欠なものだと思われます。

志賀理江子
SHIGA Lieko (1980-)

愛知県に生まれる。 現在、宮城県在住。

写真集『CANARY』(2007)で注目を集めた志賀理江子の写真には、魂の奥底まで響く圧倒的な力があります。死すべき運命の肉体と、生を渇望する精 神。志賀にとって撮影は、矛盾と葛藤に満ちた生の根源にたどり着くための「儀式」そのものです。写真の舞台となる場所は徹底的にリサーチされ、言わば志賀 の血肉と化すことにより、イメージが紡ぎだされます。志賀は、それを加工し、壊し、再びイメージへと蘇生させることにより、生きる意味を問うてきたように 思えます。ロンドンで学び、世界各地で制作した志賀は、2009年より宮城県名取市の北釜に暮らしてきました。本展には、この地で制作された4年ぶりの新 作が出品されます。

関連イベント

会期中、出品作家によるイベントを開催します。アーティスト・トークでは、作家自らが出品作について語ります。
※詳細は決まり次第お伝えします。

アーティスト・トーク

作家:ダレン・アーモンド
日時:1月24日(木)14:00~15:30
会場:3階 研修室A・B
定員:60名(先着順)

作家:ヂョン・ヨンドゥ
日時:1月25日(金)17:30~19:00
会場:3階 研修室A・B
定員:60名(先着順)

作家:ナリニ・マラニ
日時:1月27日(日)13:30~15:00
会場:3階 講堂
定員:250名(先着順)

作家:東亭順
日時:1月27日(日)15:30~17:00
会場:3階 講堂
定員:250名(先着順)

作家:國安孝昌
日時:2月16日(土)14:00~15:30
会場:3階 講堂
定員:250名(先着順)

作家:中澤英明
日時:3月2日(土)14:00~15:30
会場:3階 研修室A・B
定員:60名(先着順)

作家:利部志穂
日時:3月9日(土)14:00~15:30
会場:3階 研修室A・B
定員:60名(先着順)

※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。

開始日2013/01/23
終了日2013/04/01
エリア東京都
時間10:00~18:00 金曜日は20:00まで
※3月23日(土)は「六本木アートナイト2013」開催にともない22:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで。
休日毎週火曜日休館
その他備考当日券 1,000円(一般)、500円(大学生)
団体券 800円(一般)、300円(大学生)
# 高校生、18歳未満の方および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料
# 3月23日(土)は「六本木アートナイト2013」開催にともない入場無料
# 団体券は国立新美術館のみで販売(団体料金の適用は20名以上)
# 会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館、森美術館(六本木アート・トライアングル)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、団体料金が適用されます。
開催場所国立新美術館
* 東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結) * 都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分 * 東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から 徒歩約5分
アクセス〒106-8558 港区六本木7-22-2
Tel: 03-6812-9925 
Fax: 03-3405-2532 
E-mail: pr@nact.jp
http://www.nact.jp/information/access.html