【篠田教夫】グループ展「いざ、鎌倉」という風

ピクチャ 37

篠田教夫さんから展覧会のお知らせをいただきました。鎌倉の小町通りと若宮大路の間の裏路地にある一軒家のような小さなギャラリーでのグループ展です。7名の個性あふれる作家さんなので、それぞれが長い間をかけて続けて来られた特徴ある作品を一つの空間で観ることになると思います。美術館などと違いむずかしいことは言わず、アットホームなギャラリーで日常に近いところにある作品を楽しんでください。たぶん観る人より作家さんの方が楽しむつもりでいると思いますから。

出品作家:秋山祐徳太子、瓜南直子、黒沢京子、篠田教夫、富岡奈津江、林千絵、美濃瓢吾

篠田教夫さんは美術手帖の2012年10月号の特集「超絶技巧!!」にもとりあげられている、鉛筆細密画の作家さんです。わたしが初めて作品を知ったのは2007年の目黒美術館での「線の迷宮—鉛筆と黒鉛の旋律」でした。その展覧会は鉛筆を画材とする作家さんをとりあげたグループ展で、わたしも「鉛筆画」を期待していったのでしたが、篠田さんの作品は本当に鉛筆だろうかと思うほど、表面に鉛筆の粉も出ないような繊細なものでした。また描かれているものも例えば砂地にある貝殻なのですが、これは断崖絶壁か、もしかするとゾウか空想の生き物の横顔か、と何ものなのだかにわかには断定できず、スケールも拡大されているのか、ひょっとすると顕微鏡を見ているのか、あるいは実寸よりどのくらい小さくなっているのか、と惑わされるのです。鉛筆画はデッサンがそうであるように、もっともそれに近く、それらしく描かれているストレートなのが魅力だと思っていたので、シュールな篠田作品はその点でも「鉛筆画」を超えていました。近年では京都、奈良の社寺をまとめた集英社の『神と仏の道を歩く』*に東大寺の大仏様、法隆寺、金閣寺などが納められています。また最近は東日本大震災の津波に生き残った一本松を車に寝泊まりしながら制作しています。

篠田教夫:1947年神奈川県生まれ。独学で油彩を学んだ後、鉛筆と消しゴムを用いて制作を始める。主な個展に2003年ギャラリー椿(東京)、主なグループ展に2003年「たけしの誰でもピカソ大展覧会」(スパイラル・ガーデン、東京)、2010年「鉛筆画の世界」(中京大学アートギャラリー C・スクエア、愛知)。

* 近畿地方の古社、名刹が宗教、宗派の違いを超えて手を結び、伊勢神宮から比叡山延暦寺までの151社寺を結ぶ新しい 巡拝のルート「神仏霊場巡拝の道」が2008年9月に創設され、その公式ガイドブック『神と仏の道を歩く』を集英社より刊行。 篠田教夫は鉛筆で描いた作画と、その作画監修を担いました。 篠田が担当した15点は、神社仏閣の複雑な建造物を、手のひらほどの小さな原画サイズに、 伊勢神宮内宮・外宮、東大寺盧舎那仏像、法隆寺、延暦寺など、日本人の誇りが驚くべき緻密さと正確さで描かれています。

いなむらはつこ

DMから:

なぜか私は昔から「いざ鎌倉」という言い方が好きだ。ところが昨年、そのような風が舞い込んだ。小町通りを歩いていたところ、篠田教夫さんの個展を近くの画廊でやっているのを知った。すぐさま画廊に飛び込んだ。久しぶりの話が盛り上がって、遂にはグループ展をやろうということになってしまった。風の仕業か?ぜひとも皆さんもこの風にのっていらしてください。

秋山祐徳太子(美術家・エッセイスト)

開始日2012/10/12
終了日2012/10/21
エリア神奈川県
時間12:00-18:00 最終日は17:00まで
休日10月16日(火)
その他備考入場無料
開催場所Gallery ジ・アース
アクセス鎌倉市雪ノ下1-6-22
TEL&FAX 0467 (25) 5235
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