常懐荘「う つ せ み」

utsusemi2012

本展は、昭和初期の建築物で現在は空き家となっている常懐荘という日本家屋を会場にして開催されます。

タイトルである「うつせみ」は、「現身」(現世を生きる我々)、あるいは「空蝉」(蝉の抜け殻) と書き、共に儚さを示す日本語です。本展覧会の作家が生み出す作品はその「うつせみ」の如く儚い表現が特徴であり、その居所をことさら主張するでもなく、 作品そのものの価値よりも、それを触媒として触れられる世界にこそ価値を見いだせるような、謂わば「主体の抜け殻」としての虚ろなる作品群として機能しま す。
今回の展示では、それ自体「空蝉」と言える空間である常懐荘の中に展示され、点在する作品たちを探し彷徨い歩く中で、常懐荘の持つ美しい意匠や豊かな歴史を隅々まで体感できるものになることでしょう。

■常懐荘について

小牧市の久保山に位置する「常懐荘」は昭和8年、竹内禅扣 (ぜんこう)氏によって建てられ、禅扣氏が亡くなる一年前に完成しました。和館と廊下でつながる別棟の洋館、2階は書斎としての洋室、書庫と和室の2室を 有し、昭和初期の特徴的な和洋折衷スタイルで構成されています。
建物名に使われた「常懐(じょうかい)」は常に心が引かれるという意味があり、禅扣の好きだったなでしこの別名でもあります。この花をレリーフした家具 や天井、ステンドグラスなど 美意識の高さや、座敷の襖絵を山田秋衛氏(大和絵)、尾上柴船氏(仮名文字)に依頼するなど、文化人との交流も深く、芸術や文学に精通していたことがうか がわれます。また、禅扣は早稲田大学にて坪内逍遥に師事し、晩年まで交流がありました。直筆の書も残されており、常懐荘は逍遥の熱海の双柿舎をモデルにし たと思われます。
後年、禅扣氏は妻しげ氏と共に名古屋市内に女子工芸学校(現在の愛知産業大学)を設立します。
禅扣氏が真っ先に考えた事は、貧しいゆえに進学をあきらめざるを得なかった女性たちに学業の道を開くことでした。今日、女性が自由に学び社会において活躍 できる場を得られているのも、こうした先人達の大きな志によるもの、と言えます。教育者として一生を捧げた禅扣氏の女学校は5千名もの卒業生を輩出しまし た。
晩年、病に倒れ短い時を常懐荘で静かに過ごしています。庭には、桜や紅葉、からたちなど季節を彩る花木や果実の木が植わり、四季折々の景色が心休まる最期の場所となりました。

竹内禅扣
明治10年生 早稲田大学文学部文学科卒業
大正15年 愛知高等女子工芸学校長及び設立者就任
名古屋市より教育功績者として銀杯一組を受ける
昭和10年死没 享年59歳

常懐荘 常懐荘

◯展覧会出品作家

今村遼佑 Ryosuke IMAMURA

1982年 京都府生まれ。
2007年 京都市立芸術大学大学院彫刻専攻 修士課程修了
2011年 個展「ひるのまをながめる」(資生堂ギャラリー/東京)
2011年 「ヨコハマトリエンナーレ 2011」(横浜美術館/ 神奈川) 等

http://imamuraryosuke.info

碓井ゆい Yui USUI

1980年 東京都生まれ。
2006年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修了
2010年 個展「泣く前」(studioJ/大阪)
2011年 「有馬温泉路地裏アートプロジェクト2011」(有馬温泉/兵庫)等
http://yuiusui.com

大舩真言 Makoto OFUNE

1977年 大阪府生まれ。
2001年 京都教育大学特修美術科日本画専攻研究科修了
2011年 「Shuffle」(白金アートコンプレックス/東京)
2011年 「Repères」(Espace Topographie de l’art/パリ)等
http://www.ofunemakoto.com/

越野潤 Jun KOSHINO

1967年 大阪府生まれ。
1991年 京都市立芸術大学大学院油画専攻 修士課程修了
2012年 個展「Interlude -合間の出来事-」(Gallery Yamaguchi Kunst-Bau/大阪 )
2012年 個展「two colors」(GALERIE ASHIYA SCHULE/兵庫)等
http://www.junkoshino.com

近藤洋平 Yohei KONDO

1984年 岐阜県生まれ。
2009年 武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻建築コース修了
2011年 「第24回 UBEビエンナーレ」(ときわ公園彫刻野外展示場/山口)
2012年 「水と土の芸術祭2012」(新潟市内/新潟)等
http://yohei-kondo.com/

寺田就子 Shuko TERADA

1973年 大阪府生まれ。
1997年 京都市立芸術大学美術学部美術学科版画専攻卒業
2012年 個展「影の透きまに眩う」(galerie16/京都)
2012年 「うすらい」(GALLERY CAPTION/岐阜)等
http://shukoterada.net

森川穣 Minoru MORIKAWA

1983年 大阪府生まれ。
2007年 Chelsea College of Art and Design Postgraduate Diploma Fine Art 修了
2010年 個展「確かなこと」(京都芸術センター/京都)
2012年 IPP#0「風景の逆照射」(ギャラリーフロール/京都)等
http://minorumorikawa.com/

森太三 Taizo MORI

1974年 大阪府生まれ。
1999年 京都精華大学大学院美術研究科立体造形専攻 修了
2011年 個展「空を眺める」(ギャラリー wks./大阪)
2012年 個展「海を眺める」(ギャラリー揺/京都)等

◯イベント

■トーク「うつろなるゆたかさについて」+ 夜の特別展示
日時 2012年10月13日(土)
時間 17:30 - 20:00 (トークは1時間半程度を予定)
会場 常懐荘
参加費 500円
参加者 秋庭史典(美学研究者) X 出品作家

■展覧会「うたかた」 *参加作家によるサテライト展示
会期 2012年9月22日(土) -10月14日(日)
時間 11時 – 19時 月・火休 *入場無料
会場 アートラボあいち (名古屋市中区錦2-10-30)
主催 あいちトリエンナーレ実行委員会
協力 「うつせみ展」実行委員会
お問い合わせ TEL 052-204-6444
E-MAIL info@artlabaichi.net
WEB http://www.artlabaichi.net
*9月22日(土) 18:30よりオープニングトークを予定。

主催  「うつせみ展」実行委員会
協力  常懐荘維持再生委員会

協賛   資生堂 公益財団法人野村財団

お問い合わせ utsusemiproject@gmail.com

ウェブサイト http://www.utsusemiproject.com/index.html

◯マップ

(クリックすると拡大できます)

*駐車場には限りがありますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。

※こちらをクリックでgoogle mapでも位置を確認して頂けます。

開始日2012/09/22
終了日2012/10/14
エリア愛知県
時間金、土、日、祝のみ開館 11時ー17時
休日月ー木
その他備考入場無料
開催場所常懐荘
愛知県小牧市久保一色228
アクセス◎電車でのアクセス
名鉄小牧線「味岡」駅より徒歩10 分
・名古屋駅より(約45 分)
地下鉄東山線「藤が丘」行き乗車、「栄」乗り換え、地下鉄名城線右回り乗車、「平安通」乗り換え、上飯田線「犬山」行き乗車、「味岡」下車。
・岐阜方面より
名鉄「犬山」乗り換え、名鉄小牧線「平安通」行き乗車、名鉄小牧線「味岡」下車。

◎車でのアクセス
東名高速道路「小牧」I.C. より約10 分 名古屋高速11 号小牧線「小牧北」I.C. より約10 分
*駐車場には限りがありますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。